芸予地震

芸予地震について

芸予地震（げいよじしん）は、主に広島県、山口県東部、そして愛媛県を中心に発生した地震のことを指します。特に、1905年（明治38年）と2001年（平成13年）に発生した2回の地震が有名であり、これらはそれぞれの発生年を冠して呼ばれます。

芸予地域の概要

芸予は厳密には安芸国（現在の広島県西部）と伊予国（愛媛県全域）を指します。近年では、芸予諸島の名に由来して広島県全域や愛媛県を含む地域として理解されることが多いです。この地域で発生した芸予地震は、地震による揺れが本州や四国、九州にも広がる一方、直接的な被害が比較的少ないことが特徴的です。過去に津波の記録はなく、液状化現象や地滑りのような二次災害が見られることがあります。この地震発生地域は、活断層の少ない地域であり、大きな地震が長い期間発生していなかったため一時的に「地震空白域」と呼ばれていました。しかし、愛媛県南部においては、他の南海トラフ地震の影響を受ける可能性があります。

地震のメカニズム

芸予地震の震源は、瀬戸内海西部に位置しており、フィリピン海プレートがユーラシアプレートと衝突する地点にある沈み込み帯に関連しています。地震の震源は50kmから60kmの深さにあることが一般的であり、この深さのために揺れは広範囲に感じられます。地震は、プレート内部の張力や破壊によって引き起こされますが、プレートの動き方や構造についてはまだ完全には解明されていない部分もあります。

1905年の芸予地震

1905年6月2日14時39分に発生した地震では、震源が倉橋島南部にあり、マグニチュードは推定7.1⁄4 から7.3です。この地震の前には前震が多発し、特に広島湾岸や愛媛県で被害が集中しました。広島市や呉市では、特に脆弱な地盤の上に建てられた建物が倒壊しました。

被害状況

被害は広島県の呉市や広島市、愛媛県の松山市に集中し、特に太田川の沖積平野のような地盤が弱い地域での倒壊が多く見られました。工場や住居が大きな被害を受け、道路のインフラは比較的影響を受けませんでした。

2001年の芸予地震

2001年3月24日に発生したこの地震は、上蒲刈島の南部を震源地とし、マグニチュードは気象庁発表で6.7、モーメントマグニチュードで6.8とされています。震源の深さは51kmで、最大震度は6弱でした。この地震は広島県呉市での被害が最も大きく、2名の死者が出ました。

影響と被害

この地震により、呉市では特に崩れたブロック塀や、加えて多くの家屋が被害を受けました。負傷者は家屋内での落下物や、避難中の瓦礫によるものが多く、高齢者の被害が目立ちました。市内では水道管が破損するなどライフラインが多大な損害を受け、多くの人々に不便を強いました。

結論

芸予地震は、広島県、山口県東部、愛媛県の地域における重要な地震であり、その特性や影響は地質学的にも興味深い研究対象となります。地震のメカニズムや過去の被害状況から、今後の防災対策に役立つ情報を得ることが求められています。

もう一度検索