熱い胸さわぎ

アルバム紹介『熱い胸さわぎ』

『熱い胸さわぎ』は、サザンオールスターズの初めてのオリジナルアルバムとして1978年8月25日にレコード形式でリリースされました。このアルバムはInvitationから発売され、サザンの音楽キャリアのスタートを象徴する重要な作品となっています。また、その後もCDでの再発売やダウンロード・ストリーミング配信が行われており、長年にわたって多くのファンに愛され続けています。

背景と制作

このアルバムは、サザンオールスターズのデビューシングル「勝手にシンドバッド」から2か月後に発表されました。レゲエの要素を取り入れつつ、アメリカ西海岸の人気バンド、リトル・フィートへのオマージュも加え、ポップなアレンジに仕立て上げられています。制作過程では、バンドのメンバーに加えて新田一郎が率いるホーンセクション「Horn Spectrum」も参加し、アルバムの多彩な音韻を形成していました。

リリースと再発

サザンオールスターズの初期楽曲はバーニングプロダクションが制作・権利を持っており、これもその一環としてプロデュースされています。その後、1998年には音質改善されたCDが再発され、2008年にはリマスタリング版も登場しました。1998年の再発盤は、オリジナルLPの復刻ジャケットを採用し、ライナーノーツも特別に封入されています。

批評

桑田佳祐は、このアルバムを非常に特別なものとして評価しており、2015年のインタビューでは「若さと勢いが生み出した奇跡のような作品」と評しています。また、デビュー作が『熱い胸さわぎ』であったことを嬉しく思っていると語り、サザンの魅力が凝縮された初期のアルバムとして再評価されています。

収録曲の概要

このアルバムには、全曲桑田佳祐が作詞・作曲を手がけた楽曲が収められています。以下に代表的な曲を紹介します：

• - 勝手にシンドバッド: デビューシングルであり、サザンの人気を決定づけた楽曲。
• - 別れ話は最後に: ボサノヴァのスタイルを取り入れた楽曲。
• - 当って砕けろ: シングル「勝手にシンドバッド」のカップリング。
• - 恋はお熱く: ロッカバラードで、スムーズなメロディが特徴。
• - 茅ヶ崎に背を向けて: デュエット曲で、シングルとしてもリリース。
• - 瞳の中にレインボウ: ブルージーな楽曲です。
• - 女呼んでブギ: 初期のアマチュア時代からのレパートリー。
• - レゲエに首ったけ: レゲエを基にした楽曲。
• - いとしのフィート: リトル・フィートへの愛情が込められています。
• - 今宵あなたに: 原由子を称賛する歌とも言われています。

参加ミュージシャン

このアルバムの制作には、桑田佳祐をはじめ、多才なミュージシャンたちが参加しています。リードギターには大森隆志、キーボードには原由子が担当し、サポートメンバーが楽曲にさらなる深みを与えています。

『熱い胸さわぎ』は、サザンオールスターズのスタート地点であり、彼らの音楽的スタイルが確立された作品です。長きにわたり、多くのファンに愛され続けているこのアルバムは、サザンの歴史において欠かせない一枚と言えるでしょう。

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