熱気球競技

熱気球競技の世界：空を彩る熱気球の魅力

熱気球競技は、熱気球を用いて空を舞台に繰り広げられるスカイスポーツです。パイロットは、風を読み、技術を駆使して、様々なタスクに挑戦します。その魅力的な世界を紐解いていきましょう。

熱気球競技の歴史

熱気球は1783年に発明されました。その後、飛行船や飛行機の登場により実用的な役割は縮小しましたが、19世紀から第一次世界大戦にかけてスポーツとしての気球がブームとなりました。しかし、当時の熱気球は非常に高価なガス気球が主であり、一部の富裕層に限られたものでした。1900年のパリオリンピックでは公開競技として熱気球競技も行われましたが、その後は開催されていません。

第二次世界大戦後、化学繊維の発達やプロパンガスの利用が進み、熱気球の研究が飛躍的に発展しました。これにより、熱気球競技は世界中に広まり、各地で競技大会が開催されるようになりました。1973年には、第1回熱気球世界選手権がアメリカ合衆国アルバカーキで開催され、スカイスポーツのオリンピックとも言えるWorld Air Gamesでも1997年の第1回大会から熱気球競技が種目に取り入れられています。日本国内では、1976年に北海道上士幌熱気球フェスティバルで初の競技飛行が行われました。

熱気球競技の概要

熱気球は、上下の移動は自由に操作できますが、水平方向の移動は風に左右されます。そのため、競技は当日の風の状況によって決定されます。熱気球競技では、競技種目のことを「タスク」と呼び、1回のフライトで複数のタスクが実施されることもあります。タスクの内容は20種類ほどありますが、基本的には地上にあるターゲットに対し、マーカーと呼ばれる砂袋を投下する形式です。マーカーの投下方法には、投げ入れる場合と、重力に任せて真下に落下させる場合があります。

熱気球競技は基本的にチーム戦であり、パイロットとクルーが協力して競技に挑みます。クルーは、気球の立ち上げや回収の補助だけでなく、チェイスカー（追跡車両）で飛行中の気球を追いかけながら、無線で情報提供や誘導などを行います。

主なタスク

熱気球競技には、様々なタスクが存在します。以下に代表的なものをいくつか紹介します。

ジャッジ・デクレアド・ゴール(JDG)
フライイン・タスク(FIN)
パイロット・デクレアド・ゴール(PDG)
フライオン・タスク(FON)
ヘジテーション・ワルツ(HWZ)
ヘア・アンド・ハウンド(HNH)
ミニマム・ディスタンス(MND)
マキシマム・ディスタンス(MXD)
マキシマム・ディスタンス・ダブルドロップ(MXDD)
エルボー・タスク(ELB)
カリキュレイテッド・レイティング・アクセス・タスク(CRAT)

これらのタスクは、パイロットの技術と戦略、そしてクルーとの連携が試されるものばかりです。

世界と日本の主な大会

熱気球競技は、世界中で盛んに行われており、様々な大会が開催されています。

世界の熱気球大会

熱気球世界選手権: 2年に1度開催される、熱気球世界一を決定する大会です。ジュニア選手権や女性選手権も開催されています。
World Air Games気球部門: およそ4年に1度開催されるスカイスポーツの大会です。気球のほか、エアレースやパラシューティング、グライダー、模型航空機などの大会も行われます。

日本の熱気球大会

熱気球日本選手権: 1984年から毎年開催されている日本気球連盟主催の選手権です。この選手権で、その年の日本チャンピオンが決定されます。
熱気球ホンダグランプリ: 日本各地で開催される年間全5回のシリーズ戦で行われる熱気球大会です。
栃木市・渡良瀬バルーンレース
佐久バルーンフェスティバル
一関・平泉インターナショナルバルーンフェスティバル
佐賀インターナショナルバルーンフェスタ
鈴鹿バルーンフェスティバル

各地の気球大会: 上記以外にも、日本各地で様々な気球大会が開催されています。
富良野バルーンミーティング
上士幌ウインターフェスティバル
ゆめ気球とかち
流氷バルーンフェス
おぢや風船一揆
全日本学生選手権
阿蘇バルーンミーティング
古河熱気球大会
チューリップバルーンフェスティバル
秋田スカイフェスタ
羽生スカイフェスタ
佐賀市長杯・若葉杯新人戦
北海道バルーンフェスティバル
スカイフェスとなみ
会津塩川バルーンフェスティバル
おやまバルーンフェスタ
琵琶湖横断レース
岩出山バルーンフェスティバル
SAGAバルーンチャレンジシリーズ
渡良瀬カップ「12月の風」
吉野ヶ里のバルーン「吉野ヶ里杯」「卑弥呼杯」
* 日向かぼちゃカップ

熱気球競技は、その美しい光景と、パイロットの技術、そしてチームワークが織りなす魅力的なスカイスポーツです。一度、空を見上げて、熱気球を探してみてはいかがでしょうか。

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