熱海第一ビル

熱海第一ビル

熱海第一ビル（あたみだいいちビル）は、静岡県熱海市の交通結節点であるJR熱海駅の正面に位置する、地上9階、地下3階建ての大型複合ビルです。1967年（昭和42年）に竣工して以来、熱海駅前のランドマークの一つとして、商業施設とオフィススペースを提供してきました。

立地とアクセス

ビルは熱海駅の東方、駅前広場に面した絶好の立地にあります。特に、駅前に整備されている足湯施設「家康の湯」からまっすぐ進んだ先に建っており、駅からの視認性が高く、容易にたどり着くことができます。熱海第一ビルへのアクセスは、地上のエントランスだけでなく、独特の地下道からも可能です。この地下道は、熱海駅前、ビル正面、そして近隣のフルヤビル前の合計三ヶ所に入口があり、直接ビルの地下1階に接続しています。このため、雨天時などでも濡れることなくビル内へ移動できる利便性を備えています。

フロア構成と機能

熱海第一ビルは、その多層構造を活用し、様々な機能を収容しています。

商業フロア「ATAMIX（第一ビル名店街）」: 地下1階から地上2階までの各フロアには、「ATAMIX」と名付けられた商業エリアが展開されています。このエリアには、熱海を訪れる観光客向けの土産物店や飲食店、地元の生活を支える店舗など、多様なジャンルのテナントが入居しており、駅前のにぎわいを創出する核となっています。
オフィスフロア: 地上3階から9階はオフィススペースとして利用されています。熱海という地域特性を反映し、テナントには観光関連事業を行う企業や不動産業者が多く見られます。また、特定の宗教団体である世界救世教（MOA）に関連する施設も入居しており、このビルのテナント構成は、熱海の経済や文化の一端を示していると言えます。
専用駐車場: 地下1階の一部（海側）から地下2階にかけては、ビル利用者向けの専用駐車場が設けられています。駅前という賑やかな場所にありながら、自家用車での来訪者に対応できる駐車施設は、ビルの利便性を高める上で重要な要素です。
地下3階: 地下最下層にあたる地下3階には、建物の維持管理に必要な機械室などが設置されています。さらに、この階には、かつて計画されながらも実現には至らなかった「熱海モノレール」の駅遺構が現存しているとされています。これは熱海市の都市開発史における興味深い痕跡ですが、現在は一般には非公開となっています。

まとめ

熱海第一ビルは、1967年の竣工から半世紀以上にわたり、熱海駅前の顔として機能し続けています。商業施設「ATAMIX」による賑わい、多様なオフィス機能、そして地下に秘められたモノレール計画の遺構など、このビルは単なる商業・オフィスビルにとどまらず、熱海駅前の現在と過去、そして多様な活動が集まる拠点としての役割を担っています。駅直結の利便性も相まって、今後も熱海駅前における重要な存在であり続けるでしょう。

もう一度検索