燕 (安史の乱)

燕（えん）または大燕とは

756年から763年の間、中国に存在した国です。唐の玄宗皇帝の時代に、安禄山が反乱を起こして自ら皇帝を名乗り、建国しました。この国は、安史の乱という唐王朝を揺るがす大反乱の中で生まれ、その短い歴史の中で、目まぐるしく君主が交代しました。

建国の背景

燕の建国者である安禄山は、ソグド人の血を引く節度使でした。唐の玄宗皇帝の寵愛を受けていましたが、宰相の楊国忠との対立が深まり、755年に反乱を起こしました。安禄山は洛陽を占拠し、756年に「大燕聖武皇帝」を名乗り、燕を建国しました。

混乱の時代

しかし、安禄山は建国からわずか1年後の757年に、息子の安慶緒に殺害されてしまいます。安慶緒が皇帝を継ぎましたが、安禄山の盟友であった史思明がこれに反発し、范陽で独立を宣言しました。史思明は洛陽の安慶緒を滅ぼし、自ら大燕皇帝の座につきました。しかし、史思明もまた761年に息子の史朝義によって殺害されました。このように、燕は建国からわずか数年で、権力争いによる混乱が続きました。

滅亡

史朝義は皇帝となりましたが、唐軍の反撃により洛陽を追われ、763年に自害しました。これにより、燕は完全に滅亡しました。燕の滅亡は、安史の乱の終結を意味し、唐王朝は一時的に安定を取り戻すことになりました。しかし、この反乱は唐王朝に大きな傷跡を残し、その後の歴史に大きな影響を与えました。

燕の君主

燕の君主は以下の通りです。

安禄山（光烈皇帝、756年 - 757年）
安慶緒（晋剌王、757年 - 759年）
史思明（昭武皇帝、759年 - 761年）
史朝義（末帝、761年 - 763年）

燕の年号

燕で使用された年号は以下の通りです。

聖武（756年 - 757年）
載初（757年）
天成（757年 - 759年）
応天（759年）
順天（759年 - 761年）
顕聖（761年 - 763年）

関連項目

中国の歴史
唐
* 安史の乱

燕は短命な王朝でしたが、中国史における大きな転換期に成立し、その後の歴史に大きな影響を与えた国として知られています。

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