安慶緒

安慶緒（あん けいしょ）

安慶緒は、唐代の軍人であり、安史の乱を起こした安禄山の次男として生まれました。父から晋王に封じられ、皇太子候補でもありました。しかし、父の安禄山が病に倒れ、視力を失い、性格が変わり、寵愛する側室の息子を皇太子にしようとしたため、自身の地位が危うくなると感じました。

父の殺害と帝位簒奪

安慶緒は、父の安禄山が自分を殺そうとしていると恐れ、側近の厳荘や宦官の李豬児と共謀し、757年1月に安禄山を殺害しました。そして、自ら皇帝を名乗り、燕の二代目皇帝となりました。しかし、安慶緒は暗愚で人望がなく、家臣たちの信頼を得ることはできませんでした。

唐軍との戦いと逃亡

安慶緒が帝位を簒奪した直後から、唐軍との戦いが激化しました。757年10月には、唐の粛宗が派遣した郭子儀率いる唐軍と回鶻の連合軍によって、長安と洛陽を奪われました。安慶緒は黄河を渡り、本拠地の鄴へと逃亡しました。

史思明による殺害

759年3月、安慶緒は有力な武将である史思明の援軍を得て唐軍を撃退しました。しかし、その直後、史思明は安慶緒を裏切り、殺害しました。これにより、安慶緒の短い治世は終わりを告げました。

その後

安慶緒の死後、史思明は安慶緒の軍勢を引き継ぎ、范陽に戻って自ら大燕皇帝を名乗りました。安慶緒は、父の安禄山による安史の乱を引き継ぎましたが、自身もまた裏切りによって命を落とすという、悲劇的な生涯を送りました。

安慶緒の治世は短く、その評価は低いものですが、安史の乱における重要な人物の一人として、歴史に名を残しています。

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