燦めく星座

燦めく星座（きらめくせいざ）

『燦めく星座』は、1940年3月に日本ビクターから灰田勝彦の歌によってリリースされた昭和歌謡の名曲です。この曲は灰田にとっての代表作であり、彼の音楽キャリアにおける重要な作品となっています。作詞は佐伯孝夫、作曲は佐々木俊一によるもので、歌詞とメロディの両方が聴く人々の心を惹きつけるものとなっています。

歴史的背景

この楽曲は1940年の正月映画『秀子の応援団長』において使用され、そのために制作されました。指揮を執ったのは千葉泰樹監督で、当初は映画の主題歌として高峰秀子が歌った『青春グラウンド』がA面として販売されていました。しかし、映画のワンシーンでしか使われなかったこのB面の『燦めく星座』は、予想外にも多くの人々に支持されることとなり、40万枚の売り上げを記録しました。このヒットは、灰田勝彦が都会の若者に人気を博し、彼が全国的な知名度を持つきっかけとなりました。

軍部からのクレームとその影響

しかし、1943年にはこの曲が軍部から「軟弱」とのクレームを受けることになります。これを受けて、歌詞が軍事色を強めた新バージョンが作成され、『ジャワの夕月』のカップリングとして再リリースされました。このような歴史があるため、歌詞の変遷を知ることは楽曲の社会的影響を理解するうえで重要です。

戦後の影響

第二次世界大戦が終結した後、日本ビクターがレコード事業を再開する際、最初にリバイバルされたレコードがこの『燦めく星座』でした。つまり、この曲は日本の音楽史においても特別な位置づけを持つ作品となったのです。

戦後の使用作品

『燦めく星座』はその後、多くの映画やアニメ作品でも利用されました。小津安二郎の名作『東京物語』では、アップテンポなバージョンが挿入され、作品の雰囲気を引き立てています。また、岡本喜八の映画『独立愚連隊』および『独立愚連隊西へ』においても原曲が使用されたことが知られています。さらに、塚原重義のアニメ映画『クラユカバ』では、タイトルバックで原曲が使われ、劇中ではイントロをマーチ調にアレンジした音楽が流れています。

まとめ

『燦めく星座』は、灰田勝彦の出世作であり、戦前から戦後にかけて多くの人々に影響を与えてきました。その旋律と歌詞は、時代を超えて愛され続けています。日本の音楽史において忘れがたい一曲として、今でも多くの人に親しまれているのです。

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