爆走デコトラ伝説

爆走デコトラ伝説シリーズ：デコトラレースゲームの軌跡

概要

「爆走デコトラ伝説」シリーズは、アートトラック（デコトラ）を題材としたレースゲームです。通称「デコ伝」として知られ、プレイヤーは自分だけのデコトラをカスタマイズし、日本一のトラッカーを目指します。1998年の第一作目はヒューマンより発売されましたが、同社の倒産後、続編はスパイクやジャレコといった複数の企業からリリースされました。本稿では、制作スタッフやゲームシステムの関連性から、『アートカミオン～芸術伝～』（1999年、TYO）もシリーズ作品として扱います。

シリーズの特徴は、リアルなデコトラの描写と、シンプルながらも奥深いゲーム性です。荷台ペイントは一流ペインターの監修を受け、BGMには演歌が用いられるなど、デコトラ文化への深い理解が感じられます。また、車線変更システムなど、当時としては斬新なゲームシステムも話題となりました。

プレイモード

シリーズ作品を通じて、以下の主要モードが展開されています。

全国制覇／天下一勝負（本編）： 各地のトラッカーとレースで競い、日本一または天下一の称号を目指します。1対1のバトル形式が中心で、勝利するとポイントを獲得、デコトラのカスタマイズに役立ちます。積荷の損傷やタイムオーバーに注意が必要です。作品によって、ポイント獲得条件が異なります。
男の華道／天下一勝負 外伝／トラッカー劇場／男花道夢浪漫： ストーリー重視のシナリオモード。レースに加え、会話イベントや喧嘩イベントなどのミニゲームも含まれ、全国制覇モードのライバルたちが主人公となるシナリオが展開されます。クリア後には、プレイヤーを主人公とした恋愛風シナリオも楽しめます。
頂上戦争／最強最速戦／タイマンバトル： タイムアタックや2人対戦モード。作品によっては、AI同士の対戦「ロジック対決」や、先行車がカメラを独占する特殊な2人対戦も存在します。
ペイントモード： 荷台のペイントを自由にカスタマイズできるモード。作品によって操作方法や機能が異なりますが、上面、左右面、後面など複数面にペイントできるようになりました。

操作性

方向キーで車線変更を行い、L・Rボタンはホーンやボイスなどに割り当てられています。シフトチェンジはすべての作品で省略されており、シンプル操作とカスタム操作を選択できます。ステアリングコントローラーには非対応です。排気ブレーキシステムも搭載されており、積荷への負担を軽減できます。ロケットスタートや、敵車に追走して加速するスリップストリーム効果などの要素も存在します。

各作品の詳細

爆走デコトラ伝説～男一匹夢街道～（初代）

シリーズの第一作目。関口工芸の関口操氏が監修を務め、ゲーム内にも登場します。演歌をBGMに採用し、独特の雰囲気とシンプルなゲーム性で人気を博しました。パーツの種類やカスタマイズの自由度は低めですが、35万本を売り上げるヒット作となりました。

～アートカミオン～芸術伝～

『初代』のスタッフが中心となり、大幅な進化を遂げた作品。フランス語などの「カミオン」を用いたタイトルが特徴です。前作を継承しつつ、ゲーム画面、レーダー、視点モードなど、様々な要素が改善されました。大型免許取得のための教習所システムや、パーツのカスタマイズにおける「こだわる」モードが追加されています。

爆走デコトラ伝説2 男人生夢一路

『トラック野郎』シリーズの菅原文太氏を起用した作品。ニトロ機能「男の気合」や、一般車からのスリップストリーム効果が追加されています。ストーリーモードも充実しており、フルボイス化も実現しています。

爆走デコトラ伝説 男花道夢浪漫

PS2へのプラットフォーム変更後初の作品。ニトロ機能は回数制に変更、十字キーと左スティックの操作方法を切り替えられるようになりました。難易度が高く、現実的なゲーム性も特徴です。

真・爆走デコトラ伝説 天下統一頂上決戦

シリーズ原点回帰的作品。初代と『芸術伝』のスタッフが再集結し、両作の良い点を融合させた作品。様々なモードが用意され、カスタマイズの自由度も高いです。

関連作品

ワンダースワン、ゲームボーイカラー、Wii、ニンテンドーDSなど、様々なプラットフォームにも移植・派生作品がリリースされています。ソーシャルゲーム版も存在しましたが、現在はサービス終了しています。

まとめ

「爆走デコトラ伝説」シリーズは、個性的なデコトラと演歌BGM、そして独特のゲーム性で多くのファンを魅了しました。各作品は個性豊かで、それぞれの魅力があります。現在では新作は発表されていませんが、シリーズ作品は現在でも根強い人気を誇っています。

もう一度検索