爪白癬

爪白癬について

爪白癬（つめはくせん）は、白癬菌が爪に感染することで発症する病気であり、真菌感染症の一種とされています。一般的には「爪水虫」とも呼ばれます。この病気は、手や足の白癬が進行することで爪まで及ぶことがよくあります。かつては中高年の男性に多い病気と考えられていましたが、現代では、靴の種類により女性でもかかるリスクがあります。

感染のメカニズム

白癬菌は多くの人が持っていて、感染者はさまざまな場所でこの菌を散布しています。しかし、適切に手や身体を洗うことで、ほとんどの場合、感染を防ぐことが可能です。ただし、爪の周囲を清潔に保つことを怠ると、白癬菌がそこに付着し、爪に感染が広がる可能性があります。さらに、白癬菌はセリンプロテアーゼという酵素を使って爪の成分を分解し、自身の栄養にするため、進行すると治療が難しくなります。

多湿な環境や通気性の悪い靴を履き続けることで感染が広がることも多いです。例えば、汗をかいたり、雨に濡れた状態が続くと、白癬菌が繁殖しやすくなります。このような状態では、感染リスクが一層高まります。

治療法

爪白癬の治療には大きく分けて二つの方法があります。ひとつは外用薬、もうひとつは内服薬です。内服薬は、白癬菌が爪の深部まで及んでいる場合に使用されますが、これには副作用が伴うことがあります。そのため、治療に際しては血液検査を行い、肝機能などを確認することが重要です。

外用薬は、白癬菌の感染を防ぐのに役立ちますが、その治癒率は内服薬に比べて低くなることがあります。特に、治療は非常に根気が必要で、完全に治癒するまでには手の場合でおおよそ6か月、足の場合で12か月以上かかることがあります。特に、爪は生え変わる速度が遅いため、感染部位の白癬菌を根本から排除するには長い時間がかかります。

症状と影響

爪白癬の初期段階では、爪の色が白っぽくなるだけで自覚症状がないこともあります。しかし、感染が進行すると爪の色が変わり、やがて脆くなるなどの症状が現れます。この場合、周囲に白癬菌を拡散してしまい、他の指や部位での感染を引き起こす恐れがあります。また、悪化すると日常生活にも支障をきたし、靴を履くことが難しくなったりします。

特に、糖尿病などの疾患を有する場合、免疫力が低下しているため、感染が悪化しやすく、重篤な状態になるリスクがあります。早期の治療が不可欠です。

診断方法

診断は、主に臨床的評価やKOH直接鏡検査、培養検査、またはPCR検査などを用いて行われます。適切な診断のためには自己判断で薬を使用するのではなく、専門医の受診が推奨されます。

ただし、治療には個人差があるため、患者は自身の状態に応じた適切な治療を受け、根気強く取り組む必要があります。

もう一度検索