片山久安

片山 久安 - 剣豪の生涯と功績

片山 久安（かたやま ひさやす）は、安土桃山時代から江戸時代の初期にかけて活躍した剣豪であり、片山伯耆流の創始者として広く知られています。一般的には片山伯耆守として名が知られ、彼の名は武道の歴史において重要な位置を占めています。彼は特に居合の達人として名高く、同時代の林崎甚助と並ぶ存在として認識されていました。

生涯の概要

久安の剣術の修行に関しては、いくつかの説がありますが、一部では彼が林崎甚助の弟子だったという見方が存在します。しかし、片山伯耆流の伝承によると、久安は伯父の松庵から秘剣を授かり、さらに京都の愛宕神社において「貫」という一字の啓示を受けたとされています。このような背景から、彼は自身の流派を開くに至ったと言われており、林崎甚助について言及する伝承は存在しません。

また、久安は竹内流の創始者である竹内久盛と親族であったとも伝わっています。伝説によれば、久盛からは組討（柔術）を学び、逆に久安は久盛に居合を教えるなど、互いに影響を与え合っていたと言われています。

武術の指導と評価

久安は、豊臣秀次の招きに応じて武術を教える機会を得たとされるほか、慶長15年（1610年）には後陽成天皇の御前で演武を行い、その功績から従五位下・伯耆守に叙されたと伝えられています。しかし、この事例を裏付ける史料は存在しないため、真偽のほどは不明です。

その後、彼は元和年間に安芸国へと移り住み、広島藩主である浅野氏の家臣が多く彼の流派に入門しました。この時期も、久安の名声は高まり続けました。その後、周防国の岩国に移り、そこで岩国領主・吉川広正の客分として過ごしました。最終的には、慶安3年（1650年）3月7日に岩国にて生涯を閉じました。

家族と流派の継承

久安には何人かの息子がいたとされ、その中で片山久勝は片山心働流を開くと共に、もう一人の片山久隆が片山伯耆流を継承しました。久隆は吉川氏に仕官し、片山家は岩国藩の剣術家族として廃藩までその地位を保ち続けました。

片山久安の伝説は現在も語り継がれ、彼の功績や流派は多くの武道愛好者に影響を与えています。今日、片山伯耆流はその伝統を守り続け、久安の精神を引き継いでいると言えるでしょう。彼の生涯は、日本の武道史における重要な一章を成しています。

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