片岡七郎

片岡 七郎について

片岡七郎（かたおか しちろう、1854年1月12日 - 1920年1月2日）は、日本の海軍軍人であり、海軍大将に昇進した歴史的人物です。正二位に叙され、勲一等男爵の称号を持つ彼は、幕末から明治時代における海軍の発展に大きく寄与しました。

生い立ちと初期の経歴

片岡は薩摩藩士の片岡喜藤太の次男として生まれました。少年時代に薩英戦争や戊辰戦争、西南戦争が終結していたため、彼自身が戦争に参加することはありませんでした。兵学寮に入寮した頃はまだ制度が整っていなかったため、カリキュラムを終えた者から順に卒業していきました。

彼は日高壮之丞大将と同時に入寮し、ドイツ留学を経験しながら、兵学寮を卒業しました。片岡は多言語を学び、特にドイツ語、フランス語、英語を習得しました。この語学力は、兵学校の創成期の将官の中でも突出したものでありました。

教育者としての役割

明治14年（1881年）に兵学寮を卒業した後、片岡は「扶桑」艦の乗組員として任務を務め、砲術長に就任しました。明治19年（1886年）からは兵学校の教官として後進の指導にあたりました。彼は砲術教育を専門としながらも、生活指導や教育指導の役割も負っていました。

その後、片岡は再びドイツに留学し、中佐の階級がなかったため、大佐に昇進して帰国しました。日清戦争が勃発すると、彼は軍令部に呼ばれ、作戦には欠かせない存在として補給の計画にも関与しました。

戦場での活躍

明治27年12月、片岡は威海衛への攻撃に対し、「金剛」艦長として援護を行いました。その後、「浪速」艦長に転任となり、台湾占領に赴くなど、彼の軍人としてのキャリアは着実に進展しました。戦後、彼は様々な役職を歴任しながらも、常に現場での実践を重視し、その理念のもとで乗組員の支持を集めました。

特に彼の臨戦態勢を常に維持する姿勢は、部下たちからの信頼を得る要因となりました。片岡の哲学は、政治には関与せず、海軍の任務に専念することであり、これが彼の忠実な姿勢の源となっていました。

日露戦争とその後

日露戦争が近づく中、片岡は呉鎮守府司令官に任命され、戦局における戦略的役割を果たしました。彼の司令の下、3個艦隊の編成が行われ、特に第3艦隊の司令長官としての貢献が顕著です。この艦隊を用いた功績により、明治38年に中将に昇進しました。特にバルチック艦隊の発見に寄与し、日本海海戦での勝利に大きな影響を与えました。

晩年

戦後、片岡は単独運用の第1艦隊の司令長官や艦政本部長を経て、舞鶴鎮守府司令長官に就任しました。1911年に退役し、過ごしていた晩年には夫人の死により孤独な日々を送ることとなりました。1920年に66歳でこの世を去り、正二位を贈られ、多磨霊園に埋葬されました。

栄誉

片岡はその生涯において数多くの栄典を授与され、軍人としての地位を築きました。彼の名にちなんだ「片岡岬」という呼び名が海軍の最東端である北知床岬に定着しており、彼の戦功を今でも称えられています。

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