牛伝染性リンパ腫

牛白血病（牛伝染性リンパ腫）

牛白血病は、牛白血病ウイルスによって引き起こされる病気であり、日本では家畜伝染病予防法に基づく届出伝染病の一つとして指定されています。この病気は、特に牛および水牛に見られるもので、感染した動物が持続的にウイルスを保持し、その結果として感染源となることが特徴です。さらに、日本獣医学会の提言により、法的には「牛白血病」という名称から「牛伝染性リンパ腫」に改名されました。

特徴

牛白血病ウイルスは、レトロウイルス科のデルタレトロウイルス属に分類されるRNAウイルスであり、主に牛のBリンパ球に感染します。このウイルスは様々な経路を通じて感染が広がります。具体的には、節足動物による機械的な伝播や、母牛から子牛への垂直伝播、そして血液を介した感染が行われることがあります。

一般的に、地方病性牛白血病（EBL）は無症状のケースが多いですが、まれに数年の潜伏期間を経て、感染した牛は元気がなくなり、食欲不振や下痢、便秘といった症状を示します。これが数週間続くと、最悪の場合、死に至ることもあります。

一方、散発性牛白血病（SBL）は、いくつかの型に分類されます。具体的には、子牛型、胸腺型、皮膚型の三つです。

• - 子牛型：これはリンパ節の腫大を引き起こします。
• - 胸腺型：この型では、胸腺が著しく腫脹します。
• - 皮膚型：こちらは、発疹や丘疹が形成されることが見られます。

この病気については、現在のところ特効薬や治療法は存在しません。日本では、畜産場で牛白血病と診断された場合、その牛はすべて廃棄処分されることが法律で定められています。この対応は、病気の拡大防止を目的として行われています。

まとめ

牛白血病は、持続的感染を引き起こすウイルス性の疾患であり、牛の健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。そのため、牛群の健康管理と感染症対策が重要とされており、発症例の早期発見と適切な対処方法が求められます。

脚注と参考文献

脚注

• - 日本獣医学会の提言を受けて法令上の名称が変更されています。

参考文献

• - 清水悠紀臣ほか 『動物の感染症』 近代出版 2002年 ISBN 4874020747

関連項目

• - 猫白血病ウイルス感染症

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