牛堀町

牛堀町

牛堀町（うしぼりまち）は、かつて茨城県行方郡に属していた町です。茨城県南東部、広大な霞ヶ浦の最東端に位置し、常陸利根川にも面するこの地域は、水と緑豊かな水郷地帯を形成していました。江戸時代後期の浮世絵師、葛飾北斎が『富嶽三十六景』で描いた「常州牛堀」は、この町の風景を描いたものとされています。牛堀町は、平成13年（2001年）4月1日に隣接する潮来町へ編入され、自治体としての歴史を終えました。同日、潮来町は市制を施行し、現在の潮来市が誕生しました。旧牛堀町域は、現在の潮来市のうち牛堀、上戸、清水、島須、永山、堀之内、茂木などの地域にあたります。

地理

牛堀町は、茨城県南東部に位置し、霞ヶ浦の最東部に面していました。東側には常陸利根川が流れ、水辺の景観が特徴です。町の周囲は水田が広がる平野部でした。隣接する自治体は、茨城県内で行方郡の麻生町、潮来町、稲敷郡の東町、そして利根川を挟んで千葉県佐原市（現・香取市）でした。

歴史

牛堀町の行政としての歴史は、昭和30年（1955年）4月1日、香澄村と八代村が合併して牛堀村が発足したことに始まります。同年11月3日には町制が施行され、牛堀町となりました。交通網の整備も進められ、昭和28年（1953年）には国道123号（現・国道51号）が、昭和50年（1975年）には国道355号が制定されています。

昭和37年（1962年）7月2日には、北浦で発生した竜巻が町内を襲い、牛堀町立八代小学校の木造校舎が破壊される被害がありました。この災害により、校舎の下敷きとなった児童と教諭の中から2名が亡くなり、77名が重軽傷を負いました。

そして、平成13年（2001年）4月1日、牛堀町は潮来町に編入され消滅しました。編入と同時に、潮来町は市制を施行し、潮来市が誕生しました。牛堀町の歴史は、潮来市の歴史へと引き継がれています。

交通

町内には複数の幹線道路が通じていました。

一般国道
国道51号
国道355号
主要地方道
茨城県道5号竜ヶ崎潮来線
茨城県道50号水戸神栖線
一般県道
茨城県道185号繁昌潮来線
茨城県道189号大賀牛堀線

教育

町立の小中学校が設置されていました。

中学校
牛堀町立牛堀中学校
小学校
牛堀町立牛堀第一小学校
牛堀町立牛堀第二小学校
* 牛堀町立八代小学校

その他

平成12年（2000年）の国勢調査では、牛堀町の住民の13.4%が潮来町へ通勤しており、近隣自治体との結びつきが見られました。葛飾北斎の「常州牛堀」に描かれた地としても知られ、現在は潮来市の一部として水郷の景観を受け継いでいます。

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