牛尾幸清

牛尾幸清について

牛尾幸清（うしお よしきよ）は、戦国時代に名を馳せた武将であり、尼子氏の忠臣として知られています。彼は出雲国の牛尾城主であり、尼子氏の重要な家臣の一人として活躍しました。その生涯は多くの戦闘に彩られており、その存在感は当時を象徴するものでした。

出自と経歴

幸清の出自は、諏訪神社の神主家である諏訪氏の傍流・中澤氏にあたります。元々、彼は湯原氏の出身で、若い頃は「湯原次郎左衛門尉幸清」として知られていました。これは彼の名前の由来とされるもので、後に牛尾氏の名を名乗ることとなります。

彼の生涯の始まりは、尼子経久の時代にさかのぼります。経久の家老として、家中で重要な役割を果たした幸清は、特に佐世清宗や川副久盛などの奉行衆と並ぶ存在でした。彼は出雲内での大原郡牛尾荘の支配者でもあり、地域の政治や戦略にも深く関与していました。

戦闘の参加

永正8年（1511年）、幸清は尼子経久に従い、大内義興が上洛する際に大内軍に参加しました。この時、彼は三好氏との激闘である船岡山合戦にも参加しており、尼子氏の主要な合戦にはほとんど参加したとされます。

後に天文9年（1540年）には、尼子晴久の指揮の下、毛利元就の立て籠もる安芸国吉田郡山城の攻撃に加わりました。この時、彼は三万の軍勢を率いて戦いましたが、長期戦となり、不運にも毛利軍に大敗を喫しました。この戦いを契機に、大内側に寝返る者も多かったものの、幸清は尼子氏に残り続けました。

その後、永禄5年（1562年）には毛利氏による白鹿城攻めにおいても援軍として戦いましたが、城は落城してしまいます。さらに、永禄8年（1565年）には次月山富田城の戦いにおいて、尼子義久の指揮下で籠城しました。しかし、毛利軍の兵糧攻めにより、食糧が尽き、ついには幸清は嫡男の久信と共に降伏することを決断しました。

降伏とその後

降伏後、幸清は安芸国高宮郡深川に移り住み、院内城主となります。彼のこの降伏は尼子氏にとって大きな痛手となりましたが、幸清は新たな土地で新たな生活を始めました。

幸清の名乗りの変遷

興味深いことに、幸清の本来の名字は湯原であり、牛尾氏の出身ではありません。天文8年（1539年）に行われた尼子軍の出兵の際、法光寺において与えた禁制に署名した彼の名前は「湯原次郎左衛門尉」であり、この花押は後に牛尾幸清の花押と同様の形状を持つことが確認されています。

牛尾氏は当初、経久時代に河津氏が治めていましたが、1539年の第一次月山富田城の戦いによって河津氏が大内側に寝返ると、彼らは討伐され滅亡しました。その後、幸清は牛尾氏の総領となり、その名を広めていきました。

まとめ

牛尾幸清の人生は、戦国の激動期における武士としての生き様を物語っています。彼の挑戦と忠誠心は、当時の歴史に重要な影響を与え、今日に至るまで語り継がれています。

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