牛馬童子像

箸折峠の牛馬童子

箸折峠の牛馬童子（はしおりとうげのぎゅうばどうじ）は、和歌山県田辺市の中辺路に位置する重要な石像です。この石像は、熊野古道という歴史ある道の一部にあり、1971年に田辺市の指定史跡として登録されました。町の中でも特に注目されるスポットとなっています。

石像の概要

牛馬童子は、高さ約50センチメートルの小型の石像で、牛と馬の背中にこの像が跨がる形をしています。言い伝えによれば、延喜22年（922年）、熊野行幸を行った花山法皇の姿を模して、明治時代に作られたとされています。この石像の名前にも、その旅にまつわる歴史が反映されています。

さらに、箸折峠という名前の由来は、花山法皇が旅の途中で食事をとるためにその場所で休憩した際、近くの萱を折って箸として使用したことに由来しています。このように、牛馬童子は地域の伝説や歴史と深く結びついているのです。

頭部損壊事件

しかし、牛馬童子に関する事件が2008年6月に発生しました。6月18日の午後、この石像の頭部が何者かによって破壊され、はじめは行方不明となる事件が報告されました。和歌山県警の田辺署は器物損壊の疑いで捜査を開始しました。この出来事に対して、地元の住民や市職員など約330人が協力し、頭部の捜索を行いましたが、残念ながら発見には至りませんでした。

頭部を復元することが決まり、彫刻家の岡村哲伸氏に依頼がなされました。復元作業は、和歌山県立博物館に展示されているレプリカを基に、石膏を用いて頭部を複製し、その後、胴体と同じ地元産の砂岩を使って彫刻が行われました。こうして、新たな頭部が約2ヶ月後に完成し、10月3日に胴体に再装着されました。

切断された頭部の発見

事件から約2年後の2010年8月16日、場所は市内のバス停のベンチで、切断された頭部とみられるものが発見されました。確認の結果、それが牛馬童子の本物の頭部であることが分かりました。しかし、すでに復元が完了していたため、この発見された頭部の今後については検討が必要とされました。

関連項目

牛馬童子に関連する場所や事象にも注目が集まります。例えば、熊野三山や熊野古道といった歴史のある観光地は、牛馬童子と共に訪れる価値があります。また、道の駅熊野古道中辺路（牛馬童子ふれあいパーキング）も近くにあり、観光スポットとして多くの人々に親しまれています。これらの場所を通じて、熊野の文化や歴史に触れることができるのは、訪れた人々にとって貴重な経験となるでしょう。

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