中辺路

中辺路（なかへち）について

中辺路は、熊野三山である熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社へと至る重要な参詣道であり、熊野古道の一部となっています。この道は和歌山県田辺市から始まり、山間部を通り熊野本宮大社および熊野那智大社を経由し、最終的に熊野速玉大社に至る全長約21里（84km）を誇ります。

「熊野古道」という名称は、広範にわたる参詣ルートを含んでいますが、一般的には中辺路の区間が観光地として知られています。歴史的には、多くの巡礼者がこの道を通って熊野三山を目指したことから、多くの王子社や伝説が点在しており、訪れる人々に深い感慨を与えています。

中辺路の道順

中辺路の主な道のりは以下の通りです。
1. 田辺市街（出立王子・鬪雞神社）
2. 秋津王子
3. 万呂王子
4. 三栖王子
5. 八上王子
6. 稲葉根王子
7. 一ノ瀬王子
8. 鮎川王子
9. 滝尻王子
10. 不寝王子
11. 高原熊野神社（オプション）
12. 大門王子
13. 十丈王子
14. 大坂本王子
15. 近露王子
16. 比曽原王子
17. 継桜王子
18. 中ノ河王子
19. 小広王子
20. 熊瀬川王子
21. 岩神王子
22. 湯川王子
23. 猪鼻王子
24. 発心門王子
25. 水呑王子
26. 伏拝王子
27. 熊野本宮大社
28. 湯ノ峯王子
29. 熊野那智大社
30. 多富気王子
31. 市野々王子
32. 浜の宮王子
33. 佐野王子
34. 浜王子
35. 熊野速玉大社

この中でも稲葉根王子から滝尻王子間は、岩田川（現在の富田川）を何度も渡る必要があり、特に困難な箇所として知られています。室町時代には、潮見峠ルートが主に利用されるようになりました。これは万呂王子で伝統的な熊野古道から分岐し、会津川の右岸を通り、三栖地区の長尾坂を経由して、槇山の潮見峠を越える経路です。潮見峠を越えた後、栗栖川を下るルートは高原で従来の熊野古道に再び合流します。それに伴い、三栖王子から不寝王子にかけての王子社のいくつかは荒廃し、人々の記憶から薄れていきました。

潮見峠越えの道順

潮見峠の越え方は以下の通りです。
1. 万呂王子
2. 珠簾神社
3. 長尾坂
4. 潮見峠
5. 栗栖川
6. 高原熊野神社

また、熊瀬川王子から湯川王子の間は、近年の台風による被害で通行止めとなっているため、迂回路を利用する必要があります。このように、歴史的な遺産や自然景観が豊富な中辺路は、多くの訪問者に感動を与える魅力的な場所です。

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