牧場物語シリーズ

牧場物語シリーズ：自然と触れ合う、心温まる牧場生活

「牧場物語」シリーズは、マーベラスが制作・発売する、牧場経営をテーマとしたシミュレーションゲームのシリーズです。略称は「牧物（ぼくもの）」として親しまれています。プレイヤーは牧場主となり、作物を育てたり、動物を飼育したりしながら、自然豊かな世界でのスローライフを満喫します。シリーズを通して、その魅力的な世界観と心温まるゲームプレイが多くのファンを魅了しています。

シリーズの概要

「牧場物語」シリーズの最大の特徴は、その自由度の高さです。プレイヤーは、自分のペースで牧場を発展させることができます。畑を耕し、種をまき、作物を収穫する。牛や鶏を飼育し、ミルクや卵を生産する。釣りや料理、さらには恋愛要素まで、多岐にわたるアクティビティを楽しむことが可能です。

初期の頃は、男性版が発売された後に女性版がマイナーチェンジされて発売されていましたが、近年では、最初から男女どちらの主人公も選択できるスタイルへと移行しています。これは、より多くのプレイヤーが自分らしいプレイスタイルで楽しめるようにとの配慮からです。

シリーズの原点は、1993年にパック・イン・ビデオの和田康宏氏の発案によって企画がスタートした『牧場物語』に遡ります。当時は戦闘を主体としたゲームが主流だった中で、「戦わないゲームを作りたい」という発想から生まれたこの作品は、箱庭の中で生活を営むという独特なコンセプトで、多くのプレイヤーを魅了しました。

シリーズの変遷

シリーズは、その長い歴史の中で様々な変遷を遂げてきました。初期の作品では、和田康宏氏がプロデューサーを務めていましたが、シリーズの拡大とともに、はしもとよしふみ氏など、複数人がプロデューサーとして関わるようになりました。キャラクターデザインにおいては、まつやまいぐさ氏が多くの作品で担当していますが、一部作品では布川美香氏が起用されています。

また、2006年からはイメージガールとして志田未来さんを起用し、イベントやCM、プロモーションビデオなどに登場するなど、多角的な展開も行われています。

東日本大震災時には、PC向けブラウザゲーム『みんなで牧場物語』で、被災者支援のための募金専用アイテムを販売し、復興支援活動を後押しするなど、社会貢献にも力を入れています。

シリーズ作品間の繋がり

「牧場物語」シリーズの各作品は、基本的に独立したストーリーを持っていますが、一部作品では、舞台設定を共有したり、過去作品のキャラクターがゲストとして登場したりするなどの繋がりが見られます。

例えば、『牧場物語2』は初代『牧場物語』から数十年後の世界が舞台で、初代主人公の孫たちが登場します。また、『ハーベストムーン』シリーズの舞台である「ミネラルタウン」と『ワンダフルライフ』シリーズの舞台である「わすれ谷」は、隣町という設定になっています。

このように、シリーズを通して遊ぶことで、それぞれの作品世界がより深く楽しめるようになっています。

シリーズ作品の分類

シリーズは、舞台設定やシステムの違いから、いくつかのシリーズとして大別できます。

花の芽シリーズ：初代『牧場物語』の舞台である「花の芽村(町)」を舞台とした作品群です。
ハーベストムーン（ミネラルタウン）シリーズ：「ミネラルタウン」を舞台にした作品群です。
シュガー村シリーズ：「シュガー村」を舞台とした作品群です。
ワンダフルライフシリーズ：「わすれ谷」を舞台とした作品群です。
コロボックルステーションシリーズ：妖精「コロボックル」が登場する作品群です。
キミと育つ島・キラキラ太陽となかまたち：無人島や南の島が舞台の作品群です。
やすらぎの樹・わくわくアニマルマーチ：カスタネット大陸とワッフル島が舞台の作品群です。
風のバザール：「そよ風タウン」が舞台の作品群です。
まきばのおみせ:「クローバータウン」が舞台の作品群です。
ふたごの村：「このはな村」と「ブルーベル村」が舞台の作品群です。
はじまりの大地：「やまびこの町」が舞台の作品群です。
つながる新天地：「樫の木タウン」が舞台の作品群です。
3つの里：「ウェスタウン」「つゆくさの里」「ルルココ村」が舞台の作品群です。
オリーブタウンと希望の大地：「オリーブタウン」が舞台の作品群です。

これらのシリーズは、それぞれ異なる個性を持っており、プレイヤーは好みに合わせて作品を選ぶことができます。

新牧場物語シリーズ

2006年には、シリーズ10周年を記念して、従来のシステムはそのままに、新しい世界観とキャラクターで描かれる「新牧場物語シリーズ」が誕生しました。このシリーズでは、ダンジョン探索やモンスターとの戦闘など、RPG要素が強くなっています。

『イノセントライフ -新牧場物語-』や『ルーンファクトリー -新牧場物語-』などがこのシリーズに含まれます。しかし、『ルーンファクトリー』はスピンオフタイトルとなり、後に「新牧場物語」の冠は外されています。

みんなで牧場物語

2010年から2012年にかけては、ブラウザゲーム『みんなで牧場物語』が提供されていました。この作品では、プレイヤーは女神に頼まれた牧場主として、妖精のコロボックルと共に島で牧場を経営します。

コラボレーション作品

「牧場物語」シリーズは、他の作品とのコラボレーションも積極的に行っています。

ポポロクロイス牧場物語：『ポポロクロイス物語』とのコラボレーション作品です。
ドラえもん のび太の牧場物語：『ドラえもん』とのコラボレーション作品です。

これらの作品では、それぞれの作品の世界観を活かしつつ、牧場経営の要素が楽しめるようになっています。

携帯アプリ

携帯アプリ版の「牧場物語」も数多く配信されています。フィーチャーフォン向けの作品から、スマートフォン向けのソーシャルゲームまで、幅広い展開を見せています。

海外展開

海外では、「STORY OF SEASONS」というシリーズ名で展開しています。かつては「Harvest Moon」というタイトルで発売されていましたが、『はじまりの大地』以降、シリーズ名が変更されました。

海外では、日本未発売の作品や、移植・リメイク作品も発売されており、世界中で多くのファンに愛されています。

その他の展開

「牧場物語」は、ゲーム以外にも、漫画や小説、ラジオ番組など、様々なメディアで展開しています。

漫画は、1997年から1999年にかけて『小学四年生』で連載され、シリーズのキャラクターデザインを担当しているまつやまいぐさ氏が作画を担当しました。

小説は、角川つばさ文庫から発売されており、ゲームとは異なるオリジナルストーリーが楽しめます。

ラジオ番組では、声優の山下大輝さんがパーソナリティを務め、シリーズの魅力を伝えています。

関連商品

「牧場物語」シリーズのサウンドトラックも多数発売されており、ゲーム音楽のファンからも人気があります。

まとめ

「牧場物語」シリーズは、その心温まるゲームプレイと、自由度の高さ、そして奥深い世界観で、長年にわたり多くのファンを魅了してきた作品です。今後も、新たな作品の登場が期待される、注目のシリーズです。

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