牧憲二郎

牧 憲二郎（まき けんじろう）

1947年7月8日、宮崎県に生まれた牧憲二郎は、右投げ右打ちの本格派投手としてプロ野球界で活躍しました。

高校野球での輝き

地元の高鍋高校でエースを務め、その才能は早くから注目を集めました。1965年には、春・夏連続で甲子園の土を踏みます。春の選抜大会では、初戦で向陽高校に敗れましたが、夏の選手権大会では快進撃を見せました。2回戦（初戦）で保原高校、準々決勝で東邦高校をそれぞれ完封で下し、準決勝まで進出。準決勝では優勝候補の一角、銚子商業高校と対戦。強豪のエース木樽正明から先行点を奪うも、終盤に追いつかれ、惜しくもサヨナラ負けを喫しました。同年秋の岐阜国体にも出場し、ここでも準々決勝まで進出しますが、津久見高校に延長サヨナラ負けを喫するなど、全国の舞台で経験を積みました。

プロ入りと南海時代

高校での活躍が評価され、1965年のドラフト会議では南海ホークスから1位指名を受け入団。プロの世界へ足を踏み入れました。ノーワインドアップから投げ込まれるシュートとカーブを武器とする本格派右腕として期待され、新人ながらオープン戦で好投を見せ、開幕一軍入りを果たします。1966年4月には東京オリオンズ戦でプロ初先発を経験しましたが、なかなか勝利には恵まれませんでした。その後は一軍での登板機会が減少し、1969年シーズン終了後に自由契約となります。

阪急での再起と栄光

1970年、心機一転、阪急ブレーブスへ移籍。新天地で再び野球人生を歩み始めました。移籍当初は大きな活躍はできませんでしたが、1972年に転機が訪れます。この年は20試合に登板し、9月からは先発ローテーションの一角に定着。2度の完投勝利を含む3勝を挙げ、チームのリーグ優勝に大きく貢献しました。同年の読売ジャイアンツとの日本シリーズにも3試合に登板し、4回2/3を無失点に抑えるなど、短期決戦でも安定した投球を見せました。しかし、この年以降は再び登板機会が減少し、目立った成績を残すことは難しくなり、1976年限りで現役を引退しました。

引退後の歩み

現役引退後は、チームに残り打撃投手を務めました。その後、1980年からは球団の寮長に就任し、若手選手の育成や生活面を支える立場として、チームに貢献しました。

記録と背番号

プロ野球での主な記録は以下の通りです。

• - 初出場：1966年4月14日、対東映フライヤーズ3回戦（後楽園球場）※偵察メンバーとして
• - 初登板・初先発登板：1966年4月17日、対東京オリオンズ6回戦（東京スタジアム）
• - 初勝利・初先発勝利：1972年9月2日、対西鉄ライオンズ19回戦（西京極球場）
• - 初完投勝利：1972年9月10日、対ロッテオリオンズ22回戦（東京スタジアム）

プロ生活で背負った背番号は、南海時代に「27」、阪急移籍後は「68」、「20」、「48」と変更し、引退後の打撃投手時代には「84」を使用していました。

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