牧野康成 (与板藩主)

牧野康成：与板藩初代藩主の生涯

牧野康成（まきの やすなり）は、江戸時代前期の大名であり、越後国与板藩の初代藩主です。彼は越後長岡藩の分家である牧野家の初代（小諸藩祖）としても知られています。官位は従五位下・内膳正でした。

生い立ちと初期の経歴

『寛政重修諸家譜』によると、牧野康成は元和3年（1617年）に、当時の越後長峰藩主であった牧野忠成の次男として長峰で生まれました。幼名は武成と名乗りました。

寛永11年（1634年）、父・忠成から蒲原郡・三島郡内の新墾田1万石を分与され、与板藩主となりました。その後、従五位下・内膳正に叙位・任官されました。慶安2年（1649年）には、5月から常陸国下館城の城番を務めました。

明暦3年（1657年）に与板に入部しましたが、その年の12月晦日に41歳で死去しました。葬地は浅草の幡随院で、法名は馨香院登譽泰安です。

与板藩主としての治世

牧野康成は、与板藩の初代藩主として、藩政の基礎を固めることに尽力しました。新墾田の開発や治水工事などを積極的に行い、領内の安定と発展に貢献しました。また、城下町の整備や家臣団の組織化など、藩の体制を整えるための様々な政策を実施しました。

常陸国下館城の城番を務めた際には、その守備を堅固にし、幕府からの信頼を得ました。これらの功績により、牧野家は幕府における地位を確立し、後の発展につながりました。

牧野家の系譜

牧野康成は、牧野忠成を父とし、泰寿院（永原道真の娘）を母とします。正室は松平康重の娘です。彼には多くの子女がおり、その中でも長男の牧野康道が家督を継ぎました。

父母
父：牧野忠成
母：泰寿院 - 永原道真の娘
正室
松平康重の娘
子女
牧野康道（長男）
牧野飛騨守忠成正室、のち六郷政信正室
稲垣重定正室
水野重孟正室

子孫とその後

長男の牧野康道は、父の遺志を継ぎ、与板藩の発展に尽力しました。また、康成の娘たちは、それぞれ有力な大名家に嫁ぎ、牧野家の勢力拡大に貢献しました。このように、牧野康成は、その子孫たちの活躍を通じて、江戸時代における牧野家の繁栄の礎を築いた人物と言えるでしょう。

参考文献

* 堀田正敦等編 『新訂 寛政重修諸家譜 第六』 続群書類従完成会、1964年。

牧野康成は、初代与板藩主として、その短い生涯の中で数々の功績を残しました。彼の治世は、与板藩の発展の基礎となり、その子孫たちは、江戸時代を通じて幕府を支える重要な役割を果たしました。彼の生涯は、地方の小藩の藩主でありながらも、日本の歴史に名を残した人物として、記憶されるべきでしょう。

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