牧阿佐美バレヱ団

一般財団法人牧阿佐美バレヱ団について

一般財団法人牧阿佐美バレヱ団は、東京都中野区に位置し、日本国内で特に著名なバレエ団の一つとして知られています。団の起源は1933年にさかのぼり、橘秋子によって設立された橘バレヱ研究所に始まります。その後、1956年に現在の形態へと発展しました。過去の監督には牧阿佐美が1994年まで在籍し、彼女の後を引き継いだ三谷恭三が現在の総監督を務めています。

このバレエ団は、草刈民代や逸見智彦といった名ダンサーを輩出し、全国的な評価を得ています。また、著名な振付家とのコラボレーションも多く、特にローラン・プティによる『デューク・エリントン・バレエ』などが知られています。1970年以降からは海外公演も行い、国際的なバレエ界での認知度を高めています。

歴史と沿革

団の歴史は橘バレヱ研究所の設立から始まり、長い年月にわたり成長してきました。1971年から1994年までの長期間にわたって牧阿佐美が総監督を務め、その後は三谷恭三が引き継いでいます。団体の活動は多岐にわたり、公益財団法人橘秋子記念財団、橘バレヱ学校、青山バレヱハウスといった関連団体も構えており、バレエ教育の重要な拠点となっています。

2014年には東京都文京区との提携が結ばれ、新たに文京シビックホールを拠点とした公演活動が開始されました。特に地域との融合を重視した取り組みが評価されています。

経済的課題

しかし、団としての運営には課題も伴います。2015年には文化庁と日本芸術文化振興会から約6700万円の助成金返還請求が発表され、これが大きな波紋を呼びました。返還請求の理由としては、団の美術装置が無断で売却されたことや、衣装レンタル費用の証拠書類が確認できなかったことがあります。この問題を受け、団は当時の担当者に不正がなかったことを明言しつつも返還請求に応じる姿勢を示しました。

チケット制度と社会保障

また、チケットの販売に関しても簡単ではありません。団員は高額なチケットを購入しなければならず、一般の方への販売が難しいことから、団員が生徒を多く抱えることで収入を補う必要があります。さらに、2016年ごろまでの体制では、チケットノルマや社会保障、特にトウシューズの支給がなかったため、多くの団員が経済的な困難に直面していたことが指摘されています。

国際的な影響

近年では、2022年のロシアによるウクライナ侵攻の影響も受けました。同年に予定されていた重要な公演において、ボリショイ・バレエ団のデニス・ロジキンとミハイロフスキー劇場バレエ団のアンジェリーナ・ボロンツォーワの招聘を中止せざるを得なくなりました。このような国際情勢は、バレエ団の活動にも影響を与えています。

現在のスタッフ

2024年4月現在、芸術監督には三谷恭三が在任し、数人のバレエミストレス、バレエマスター、教員が在籍する充実した体制を整えています。団体としての将来に向けて、スタッフ一同が一丸となって活動を続けています。

一般財団法人牧阿佐美バレヱ団は、伝統を受け継ぎながらも新しい挑戦を重ねており、今後の発展が期待されるバレエ団です。

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