特定建築物調査員

特定建築物調査員について

特定建築物調査員（とくていけんちくぶつちょうさいん）とは、特定建築物の安全性を確保するために必要な調査を行う専門職です。この役割は、登録特定建築物調査員講習を受講し修了後に交付される資格者証を持つことで担うことができます。2016年に改正された建築基準法によって、これまでの「特殊建築物等調査資格者」に代わって新たに設けられました。

概要

建築基準法第12条第一項では、民間の建築物のうち、安全性、防火性、衛生面で特に重要とされるものについて、定期的な調査を行い、その結果を特定行政庁に報告することが求められています。また、公共の建築物に対しても、法第12条第二項に基づき、すべての特定建築物の点検が義務付けられています。この調査と点検を実際に行う専門家が、特定建築物調査員であり、一級建築士や二級建築士もこの業務を行うことが許可されています。

受講資格

特定建築物調査員になるためには、一定の条件を満たす実務経験が必要です。具体的には、以下のような学歴と実務経験が求められます：

• - 大学で建築学や関連学科を卒業し、建築に関する実務経験が2年以上。
• - 3年制短期大学卒業で、3年以上の実務経験。
• - 2年制短期大学や高等専門学校卒業で、4年以上の実務経験。
• - 高校卒業で7年以上の実務経験。
• - また、11年以上の実務経験があれば直接受講資格があります。
• - 特定行政庁に勤務する職員で2年以上の実務経験、あるいは消防士として5年以上の火災予防業務を実務経験として認められた方も対象です。

これらの条件を満たした後、講習を受けなければなりません。

講習内容

特定建築物調査員講習は、一般財団法人日本建築防災協会が主催し、毎年10月から12月の間に全国各地で開催されます。講習は約4日間にわたって行われ、以下のような科目が含まれます：

• - 建築基準法令の構成・概要
• - 建築学概要
• - 特殊建築物等定期調査制度の総論
• - 維持保全の重要性
• - 建築構造
• - 防火と避難の技術
• - 事故防止のための知識
• - 業務基準
• - 修了考査

これらの科目を修了し、考査に合格することで、正式に特定建築物調査員としての資格を取得することができます。

関連項目

特定建築物調査員に関連する業務には、特殊建築物定期調査、建築設備の定期検査、大臣登録講習、建築設備検査員、昇降機等検査員、防火設備検査員などがあります。また、これに関連する資格は多岐にわたり、日本の建設に関する資格一覧も確認することで、持続的な専門性向上につながります。

外部リンク

また、特定建築物調査員に関して詳しい情報が必要な方は、一般財団法人日本建築防災協会のウェブサイトを訪れることをお勧めします。この団体は、講習の実施や関連情報の提供を行っています。

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