特定目的会社

特定目的会社（TMK / SPC）について

特定目的会社（TMKまたはSPC）は、資産の流動化に関する法律に基づいて設立される法人であり、主に資産流動化業務を遂行するための社団法人です。これらの会社は特に不動産や金融商品などの証券化に用いられ、資産を効果的に管理・運用する役割を果たします。

法的性格

特定目的会社は営利を目的とした法人ですが、通常の株式会社とは異なり、会社法上の会社ではありません。業務を始めるためには、資産流動化計画を添付した業務開始届を財務局に提出しなければなりません。また、事業計画の変更がある場合も、原則として届出が必要となるなど、財務局の監督が行われます。

組織構成

特定目的会社の組織は、社員総会、取締役、監査役、会計監査人から成り立っています。社員総会は、資産流動化法に基づく重要な決定を行います。取締役は最低1人以上、監査役も通常1人以上が必要とされ、それぞれが定められた法令に従って業務を行います。

資金調達手段

特定目的会社は、資金調達に際して特定社債や転換特定社債、優先出資など多様な金融商品を利用します。これにより、必要な資金を効率的に調達し、その資金を基に不動産や金銭債権の購入を進めます。

計算および監査

会社の計算については、特定目的会社の計算に関する規則が適用されるため、貸借対照表や損益計算書などの書類の作成が必要です。また、監査に関しては特定目的会社独自の規則が存在し、監査役の監査や外部の会計監査人による監査が求められます。

税制上の優遇

特定目的会社は租税特別措置法に基づく税制上の優遇を受けることができ、配当金の損金算入や登録免許税・不動産取得税の減免措置が認められています。これにより、二重課税を回避しながら、効率的に不動産投資を行うことが可能になります。

利用方法

特定目的会社は不動産証券化をはじめとするさまざまな金融スキームに活用されます。具体的には、オリジネータが資産を会社に売却することで資金を調達し、それを使用して不動産などの対象資産の取得を進めます。特に海外の投資家にとっては、税務上の観点からTMKが好まれる傾向があります。

現状と展望

2023年1月末時点で、関東地方だけでも1,104の特定目的会社が設立されており、全国では1,118の業者が登録されています。これらの数字は、特定目的会社を通じた資産流動化の需要とその人気を示しています。

特定目的会社の仕組みと運営は、資産の流動化や証券化における重要な要素であり、今後も広がりを見せることが期待されています。

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