特殊核爆破資材

特殊核爆破資材 (SADM) について

特殊核爆破資材（Special Atomic Demolition Munition, 略称SADM）は、アメリカ合衆国が開発した極めて小型の核兵器です。そのサイズから「スーツケース型核爆弾」や「超小型核爆弾」と呼ばれることもあります。この武器は、特にアメリカ海軍および海兵隊の特殊部隊のために設計され、内部に爆破器材を搭載した装備の一例です。

概要と運用方法

SADMは、特殊部隊の兵士が隠密に重要な施設や地点に持ち込み、指定された場所に設置して爆破するという運用を想定しています。この兵器は、約68kgの重さで、背嚢程度の大きさにコンパクトにまとめられており、兵士が背負って運ぶことができます。

使われる核弾頭はW54型で、機械式タイマーを使用して起爆します。核出力は、状況に応じて10トンから1キロトンまで調整可能です。SADMは1965年に正式に配備され、冷戦の終結を迎えた1989年まで使用されていました。

文学作品への登場

特殊核爆破資材は、様々な文芸作品にも登場しています。

• - 小説『復讐戦 (PAYBACK)』 では、冷戦時期に米特殊部隊がSADMを東ドイツに設置しようとしますが、アクシデントによって全員が死亡。後に冷戦後のテロリストグループにこの兵器と暗号鍵が渡り、物語が進行します。
• - 小説『スーツケース一杯の恐怖』 では、ソ連で開発されたスーツケース型核爆弾がアメリカに持ち込まれ、いくつかが行方不明になるというストーリーが展開します。

映像作品への影響

さらに、アニメや漫画でもこの核兵器は取り上げられています。例えば、アニメ『聖戦士ダンバイン』では、巨大空中戦艦を破壊するために超小型核爆弾が家具に偽装されて贈られるエピソードがあります。

また、漫画『砂の薔薇』では、対テロ部隊がテロリストによって製造された超小型核爆弾を回収するために出動するシーンが描かれています。

ゲームにおける描写

ゲーム『バトルフィールド3』のシングルプレイモード、「OPERATION GUILLOTINE」では、主人公がSADMに類似した小型核爆弾を発見。物語の中でこの爆弾は、悪用されることになるという設定です。同作においては、発見した時点で小型核爆弾が複数存在しているという描写があり、それぞれが異なる場所で運搬され、結果的に重大な被害を引き起こすことになります。これにより、SADMの影響力はフィクションの中でも強く印象づけられています。

核兵器の文化的意義

このように、特殊核爆破資材（SADM）は冷戦期の緊張を象徴する兵器として、様々な文化作品に影響を与えてきました。核兵器というテーマは、戦争やテロリズムに関する多くの作品で重要な役割を果たしていますが、SADMのような特殊な設計を持つ武器は、特に隠密作戦や特殊部隊に関連するストーリーの中で大きな意味を持ちます。今後も、このような兵器の存在とその影響について考えることが重要です。

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