犢橋村

犢橋村（こてはしむら）とは

犢橋村は、かつて千葉県千葉郡に存在した村です。現在の千葉市花見川区と稲毛区の一部にあたり、その名残は地名や公共施設名として今も使われています。この地は、南北朝時代には「花嶋」、室町時代には「コテハシ」という地名で呼ばれていました。

歴史

江戸時代

江戸時代には、以下の8つの村が存在しました。

犢橋村：幕府と旗本小栗氏による相給地で、後に吉田氏と小栗氏の相給、与力給知、神照寺除地となりました。
花島村：旗本遠山氏領で、後に幕府と遠山氏の相給となりました。
柏井村：旗本上杉氏領で、後に幕府と上杉氏の相給となりました。
北柏井村：旗本小栗氏領で、後に幕府と小栗氏の相給となりました。
横戸村：小金原の一部で、旗本石尾氏領から幕府と石尾氏の相給となりました。
長沼新田：幕府領でした。
小深新田：幕府領でした。
宇那谷村：旗本石河氏領から佐倉藩領となりました。

これらの村々は、それぞれ異なる領主によって支配されていましたが、天明年間の印旛沼掘割工事によって幕府領が設置されました。

明治時代

1868年（明治元年）には、北柏井村が柏井村に編入され、宇那谷村を除く7村が下総知県事の管轄となりました。その後、下総知県事は葛飾県となり、1871年（明治4年）には、宇那谷村も佐倉県を経て印旛県の管轄となり、8村全てが印旛県に統合されました。さらに、1873年（明治6年）には、印旛県が木更津県と統合され、千葉県が発足し、8村は千葉県の管轄となりました。

町村制施行と合併

1889年（明治22年）4月1日、町村制の施行により、千葉郡の犢橋村、花島村、柏井村、横戸村、長沼新田、小深新田、印旛郡の宇那谷村、および千葉郡六方野原が合併し、新たな犢橋村が発足しました。村役場は長沼区字屋敷に置かれました。この合併により、長沼新田と小深新田はそれぞれ大字長沼、大字小深となり、13の行政区が発足しました。

昭和時代

1951年（昭和26年）には、小深と長沼の一部が千葉市源町に編入されました。1952年（昭和27年）には、旧陸軍下志津演習場の一部から大字山王、六方、三角、千種、長沼原が起立しました。1954年（昭和29年）1月には、大字六方の一部が印旛郡千代田町に編入され、大字鹿放ヶ丘となりました。同年7月1日、犢橋村は千葉市に編入され、犢橋村は廃止されました。しかし、旧村域には犢橋市民センターが設置されました。

平成時代

1992年（平成4年）4月1日、千葉市が政令指定都市に移行したことにより、旧犢橋村の地域は花見川区と稲毛区に分かれました。花見川区の地域は、現在も犢橋市民センターが管轄しています。

千葉市への編入

犢橋村は、津田沼町（現習志野市）を中心とした「大習志野市構想」への参加を打診され、津田沼町、幕張町と合併協議会を設置しましたが、最終的には合併を断念しました。この件は、同構想が頓挫する一因となりました。しかし、現在でも京成電鉄本線の沿線として、習志野市（旧・津田沼町）と市街地が連続しており、千葉市花見川区の総武本線沿線とは異なる発展を遂げています。

教育

犢橋村には以下の学校がありました。

犢橋村立犢橋小学校（現・千葉市立犢橋小学校）
同宇那谷分校（現・千葉市立横戸小学校）
同小深分校（現・千葉市立山王小学校）
犢橋村立犢橋中学校（現・千葉市立犢橋中学校）

これらの学校は、現在も地域の子どもたちの教育を担っています。

現在の町名

千葉市花見川区

住居表示実施地区：柏井、こてはし台、横戸台、花見川（一部）、さつきが丘（一部）

住居表示未実施地区：犢橋町、花島町、柏井町、横戸町、宇那谷町、三角町、千種町、内山町

千葉市稲毛区

住居表示実施地区：柏台（一部）

住居表示未実施地区：長沼町、小深町、山王町、六方町、長沼原町

関連項目

千葉県の廃止市町村一覧
川口為之助：元村長で、後に初代民選千葉県知事、参議院議員を務めた人物です。

このように、犢橋村は、その歴史と地名を今に伝える地域として、千葉市の一部となっています。

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