犬田城の戦い

犬田城の戦い（1483年）の詳細解説

犬田城の戦いは、文明15年（1483年）9月に河内北部（現在の大阪府枚方市中宮）の犬田城で繰り広げられた戦いです。室町時代、畠山氏の家督を巡る争いが激化し、畠山義就と畠山政長が河内の領有権を争った結果、この戦いが勃発しました。この戦いの勝利によって、義就は河内における実質的な支配権を確立しました。

戦いの背景

応仁の乱終結間際の文明9年（1477年）、畠山義就は京都から河内へ下向し、若江城を拠点に河内を制圧しました。河内は元々、畠山政長の領国であり、幕府は義就から守護職を取り上げ、政長を任命していました。しかし、義就が河内を領有するという事態に対し、幕府は義就追討令を度々発令しましたが、義就は大和にも影響力を持っていたため、実際には出兵できませんでした。

文明14年（1482年）3月、政長は細川政元と共に京都から出陣し、摂津国の国人衆を討伐しながら進軍しました。しかし、政元は義就と単独で和睦し、義就に摂津欠郡の返還と引き換えに河内十七箇所の領有を認めました。政元の帰京後、政長は単独で義就討伐を続行し、紀伊の援軍と合流して河内南部の正覚寺で義就と対峙しました。

義就は小競り合いを続けながら反撃の機会を伺い、別働隊を南山城へ向かわせ奇襲をかけました。南山城の領主鷹山氏は義就に寝返り、義就軍は草路城を落とし、南山城を占拠しました。政長方は宇治川流域で抵抗を続けましたが、宇治橋を破壊され、義就方の北上を阻まれました。

犬田城の戦いの経緯

政長は幕府の支援と分国からの増援を期待して正覚寺に留まりましたが、河内十七箇所を巡る争いが激化しました。義就軍は十七箇所を狙い北上し、八幡に集結。別の一隊は河内・山城・大和の国境に布陣し、政長方の侵入を妨害しました。

文明15年8月、義就軍は八幡から十七箇所へ攻撃を開始。淀川の増水を利用して、大庭堤・植松堤を決壊させ、十七箇所を水攻めにしました。これにより十七箇所は孤立しましたが、河内北部の犬田城では政長方が抵抗を続けました。9月、政長の家臣遊佐長直が越中勢を率いて犬田城の後詰に向かいましたが、義就軍に敗北。遊佐長直は負傷し、犬田城へ逃れました。9月26日、犬田城はついに落城し、義就は河内を実質的に平定しました。

戦いの影響

犬田城の戦いを含め、一連の戦いの中で河内南部で政長と義就が対陣を続けている最中に南山城と河内北部は義就方に制圧されました。文明17年（1485年）7月には、南山城を守る義就の家臣斎藤彦次郎が寝返ったため山城の戦線は膠着状態となり、山城国一揆が勃発しました。国一揆の結成により畠山氏の争いは収まり、義就の河内・大和領有が確定。政長は河内と山城を失う結果となりました。この後、義就が亡くなり、息子の義豊が跡を継ぎましたが、政長は幕府に要請して再度河内遠征を行うなど、畿内の混乱は続きました。

まとめ

犬田城の戦いは、畠山氏の অভ্যন্তরীণ抗争が激化する中で起こった戦いであり、その後の畿内の勢力図に大きな影響を与えました。この戦いを通じて、畠山義就は河内における支配権を確立し、室町時代の政治情勢に大きな足跡を残しました。

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