犬神さんと猫山さん

『犬神さんと猫山さん』は、くずしろによる日本の百合系ラブコメディ 4コマ漫画作品です。一迅社の『コミック百合姫』にて、2012年1月号から2017年4月号まで連載されました。また、Webコミック誌『ニコニコ百合姫』でも2013年4月号から2016年6月号まで連載されていました。各誌で概ね毎号2話ずつ掲載されており、コミックスでは番外編なども含めて話数が整理されています。

ストーリー

物語は、高校1年生の春に、猫派でありながら犬のような雰囲気を持つ犬神八千代と、犬派でありながら猫のような雰囲気を持つ猫山鈴が出会うところから始まります。猫好きと犬好きの二人はすぐに惹かれ合いますが、積極的な犬神のアプローチに対し、内気な猫山は照れ隠しで引っ掻いてしまいます。二人の友人である柊木秋は、そんな二人にツッコミを入れたり、暴走しがちな犬神を制止したりと、日々奮闘します。

登場人物

犬神八千代（いぬがみやちよ）

声 - 上坂すみれ

主人公の一人。16歳で1年A組に所属しています。犬のような外見でありながら猫派という特異なキャラクターです。アクティブなドMで、一人でいる時は大人しいという一面も持ちます。やや天然で変態的な性格であり、同じく変人である杜松とは気が合います。中学時代には剣道で県大会2位になるほどの腕前でしたが、ドM故に誰にも打たれなくなり辞めています。頭も良く、明るく人懐っこい性格で友人も多いですが、猫山に萌えるため、しょっちゅう猫山のいる1年B組に入り浸っています。猫山に対しては、全力で愛でる（セクハラ）行為を働き、秋からツッコミを受けています。猫山一筋でありながら、小動物のような杜松や、ツンとした秋のことも好きです。基本的にはMなので、女の子に弄ばれることは全般的にOKですが、雪路だけは例外です。寂しがり屋で、一人だとかなり大人しくなります。自宅では犬を3頭飼っており、父親は警察官です。

猫山鈴（ねこやますず）

声 - 東山奈央

もう一人の主人公、またはヒロイン。16歳で1年B組に所属しています。猫のような外見でありながら犬派です。内気で恥ずかしがり屋のツンデレな性格です。人見知りで、知らない人が家に来ると、秋の家に逃げ込んでしまうほどです。犬派であるため猫に似ていると言われるのは不本意ですが、小柄で猫のようなつり目をしており、一人を好むマイペースな性格、魚が好きでネズミが嫌い、猫舌、暗い場所が好き、マタタビで酔うなど、猫の特徴が多く見られます。杜松のことは嫌いではありません。酔うとSに変貌します。身体や胸が小さいことを気にしています。非常に純情で、時々妄想で自滅してしまいます。犬神と仲が良い秋や、気が合う杜松を羨ましがったり拗ねることもあります。当初は犬神の積極的なアプローチに戸惑っていましたが、最近では満更でもないようです。黒タイツをよく履いており、視力が少し悪いため授業中はメガネをかけています。4つ上の姉と二人暮らしをしています。

柊木秋（ひいらぎあき）

声 - 大坪由佳

1年B組所属。16歳で剣道部員です。犬神と猫山の友人であり、二人の出会いの仲介役でもあります。犬派でも猫派でもなく、動物が苦手です。犬神とは中学1年からの腐れ縁で、猫山とはクラスメイトです。苦労性で、酔うと泣きながら愚痴を言います。犬には噛み付かれ、猫には引っ掻かれた経験から動物が苦手ですが、犬神や猫山のことは嫌いではありません。犬神曰く、つり目でツンとした黒猫のような容姿です。しっかり者で、犬神の世話を焼くことが多く、犬神からは「姐さん」と呼ばれています。猫山からは「彼氏力が高い」「中身がイケメン」と評されています。暴走しがちな犬神を制止したり、二人にツッコミを入れるのが主な役割です。後輩女子から慕われることが多いですが、自分に向けられる好意には鈍感です。以前から牛若雪路とは知り合いですが、出会いが最悪だったため警戒しており、学校では初対面のように振る舞っています。ゲームも人並みにこなし、格闘ゲームが得意です。

杜松美希音（ねずみきね）

声 - 堀野紗也加

1年A組所属。小動物のような外見で、生物部に所属しています。どちらかといえば犬派です。猫山以上に小柄で、ツインテールの美少女です。小さくてかわいいものが好きな犬神にとって、猫山の次に萌える対象です。「気をつけてください、なのです。」など、丁寧な口調で話します。猫山とは「ちっちゃいもの同盟」を結んでおり、犬神とは自由奔放な発想で気が合います。生物部では、「チューをしたら体温は何度上がるか」など、ユニークな研究をしています。2年生の雪路とは幼馴染で、甘えん坊なところがあります。人見知りで、人とサシで話すと下ネタが飛び出してしまうことがあるようです。オタク気質で、絵も上手です。

牛若雪路（うしわかゆきじ）

声 - 藤本葵

2年生で、生物部部長。おっとりとした癒し系ですが、胸が大きいのが特徴です。慣れた人には扱いが雑になります。ドジっ娘で天然な性格で、昔から赤色を見ると興奮する癖があります。当初はただの天然キャラでしたが、途中から「ナチュラルにエロい人」と評されるようになり、含みのある発言を繰り返します。ドMな犬神が「弄ばれたら終わり」と警戒する唯一の人物です。また、杜松と兎川に向ける目は、友人から歪んでいると言われています。過去に相馬さくらと付き合っていましたが、さくらの従姉妹である秋とは最悪の出会い方をしています。生物部としては特に活動はしていません。

その他の登場人物

猿飛空（さるとびそら）: 1年A組のクラス委員長。眼鏡をかけていて、真面目な性格です。犬神とは仲が悪かったが、後にツンデレキャラになります。
鳥飼ひばり（とりかいひばり）: 1年B組の生徒。病弱で入院していますが、自分の死をネタに冗談を言うのが好きです。
兎川モチ（うさかわもち）: うさぎの耳のようなヘアバンドをつけた小柄な少女です。寂しがり屋で、雪路からは杜松と同レベルの甘えん坊とされています。
虎生真梨（とらおまり）: 生徒会長。金髪ツインテールで、身長は低いが胸が大きいです。強気で口が悪いですが、ファンが多いです。
龍崎乙姫（りゅうざきおとめ）: 生徒会副会長。黒髪で、虎生の恋人です。丁寧な口調で、王子様のような人物です。メンタルが弱く、虎生の暴言に落ち込むことがあります。
蛇塚佐和子（へびつかさわこ）: 猫山珠喜の高校時代の同級生で恋人です。丁寧な物腰で、珠喜にベタ惚れです。
相馬さくら（そうまさくら）: 秋の従姉妹で、女の子が大好きな性格です。恋愛関係の感覚が一般と異なっており、猪里と恋人関係になります。
猪里直（いのりなお）: 真面目で一途な性格の女子。相馬の浮ついた態度を嫌っていますが、相馬に告白され付き合うことになります。
羊谷まきの（ひつじたにまきの）: 大学生で、アイドルオタクです。杜松の友人です。
猫山珠喜（ねこやまたまき）: 鈴の姉。猫っぽい人で、人をからかうのが好きです。蛇塚と付き合っています。
柊木桐 / 柊木楓: 秋の妹。双子です。
柚井冬子: 雪路のクラスメイトで、倒錯傾向のある変人です。

書誌情報

くずしろ『犬神さんと猫山さん』一迅社〈百合姫コミックス〉、全6巻

テレビアニメ

2014年4月から6月にかけて、ショートアニメとして放送されました。全12話。

スタッフ

原作 - くずしろ
監督 - 永居慎平
キャラクターデザイン - みうらたけひろ
アニメーション制作 - セブン

主題歌

「絶対♡服従宣言」- 犬神八千代（上坂すみれ）× 猫山鈴（東山奈央）
「Beauty Boy」- 猫山鈴（東山奈央）

犬神さんと猫山さん