狩宿の下馬ザクラ

狩宿の下馬ザクラ

狩宿の下馬ザクラは、静岡県富士宮市狩宿に location する、日本有数の古木であるヤマザクラです。正式な和名はアカメシロバヤマザクラとされ、その歴史と風格から、国の特別天然記念物に指定されています。また、日本五大桜の一つとしても数えられています。

概要

この桜は、1193年（建久4年）に源頼朝が富士の巻狩を行った際、この地に立ち寄ったという伝承に由来し、「狩宿の下馬桜」と呼ばれるようになりました。また、桜の木に馬を繋ぎ止めたという言い伝えから、「駒止めの桜」という別名も持っています。

樹齢は800年を超える老樹であり、その風格は見る者を圧倒します。開花時期は例年4月中旬頃で、満開時には美しい花を咲かせ、多くの人々を魅了します。春の訪れを告げる桜として、地元の人々からも愛されています。

1922年（大正11年）10月12日に国の天然記念物に指定され、その後1952年（昭和27年）3月29日には特別天然記念物に格上げ指定されました。これは、この桜の歴史的・文化的価値、そして植物学的な重要性が高く評価された結果と言えるでしょう。

さらに、狩宿の下馬ザクラから望む富士山の風景は、環境省が公開した「富士山がある風景100選」にも選定されています。桜の美しさと富士山の雄大さが織りなす絶景は、訪れる人々にとって忘れられない思い出となるでしょう。

文部省編「天然紀念物調査報告」によると、かつては地上3尺6寸の高さにおける幹囲は8.48m、枝張は東西21.81m・南北16.33mであったと記録されています。しかし、その後の度重なる台風の影響で木は弱り、樹勢は衰えを見せています。それでもなお、その生命力と美しさは、見る者の心を揺さぶります。

江戸幕府第15代征夷大将軍である徳川慶喜もこの桜を愛で、歌を詠んでいます。歴史上の人物も魅了したこの桜は、まさに日本の宝と言えるでしょう。

交通アクセス

所在地：静岡県富士宮市狩宿（井出館）
車：東名高速道路富士ICより西富士道路経由約30分
公共交通：身延線富士宮駅より富士急静岡バス白糸滝行き約25分、中井出バス停下車

脚注

狩宿の下馬桜 - 観光課 - 富士宮市 | 静岡県富士宮市

関連項目

* 植物天然記念物一覧

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