猪ノ鼻道路

猪ノ鼻道路（いのはなどうろ）

猪ノ鼻道路は、香川県三豊市から徳島県三好市に至る国道32号（国道319号重複）のバイパス道路であり、現在は国道32号の一部として重要な役割を担っています。

概要

建設以前の国道32号、香川・徳島県境の猪ノ鼻峠付近は、道路の線形が悪く、急勾配が連続する区間が存在しました。具体的には、半径80m以下のカーブが28箇所、7%の急勾配区間が2箇所も存在し、約11kmの区間内に51箇所もの災害危険箇所がありました。そのため、大雨や大雪などの異常気象時には、事前通行規制が実施され、多い時には約400世帯1,000人が孤立する状況でした。

猪ノ鼻道路は、これらの問題を解決するために計画されました。事前通行規制の解消、線形不良の改善による安全性向上、そして所要時間の短縮による香川・徳島両県の交流促進を目的としています。道路の建設は、香川県側を国土交通省四国地方整備局香川河川国道事務所、徳島県側を徳島河川国道事務所が担当しました。

特筆すべき点として、猪ノ鼻道路には歩道が整備されていません。そのため、道路の入口には自転車や歩行者に対して、旧道を利用するように促す警告板が設置されています。

路線データ

起点：香川県三豊市財田町財田上
終点：徳島県三好市池田町州津
総延長：8.4km
規格：第3種第3級
車線数：2車線
道路幅員：7.5m
車線幅員：3m
設計速度：60 km/h
最急勾配：5%

歴史

2002年（平成14年）：扇大臣へ要望
2003年（平成15年）：事業化、測量開始
2005年（平成17年）：ボーリング調査
2007年（平成19年）：着工式
2008年（平成20年）：設計協議
2017年（平成29年）：西山トンネル貫通
2019年（令和元年）：新猪ノ鼻トンネル貫通
2020年（令和2年）12月13日：開通

道路施設

橋梁

新込野橋（42.5m）
箸蔵第1橋（30.0m）
箸蔵第2橋（73.5m）
箸蔵第3橋（99.0m）

トンネル

新猪ノ鼻トンネル（4,187m）：道路全体の約半分を占める最長のトンネルです。
西山トンネル（2,115m）
箸蔵第1トンネル（155m）
箸蔵第2トンネル（275m）

路線状況

猪ノ鼻道路は、開通によって国道32号の交通状況は大きく改善されました。特に、新猪ノ鼻トンネルの開通は、冬季の積雪や異常気象による通行止めを大幅に減少させ、地域住民の生活を支える重要なインフラとなっています。ただし歩道がないため、歩行者や自転車は旧道を利用する必要があります。

関連項目

四国地方の道路一覧

外部リンク

* 徳島河川国道事務所 道路事業の紹介 猪ノ鼻道路

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