猪子石

猪子石（いのこいし、いのこし）

猪子石は、愛知県名古屋市名東区および千種区に広がる町名です。名東区には猪子石一丁目から三丁目があり、猪高町大字猪子石も含まれます。千種区にも猪高町大字猪子石が存在し、合わせて19の小字があります。

地理

猪子石一丁目から三丁目は名東区の北部に位置し、周囲を以下の町に囲まれています。

西：山の手三丁目
東：猪高町大字猪子石
南：文教台一丁目、猪高台一丁目
北：香流三丁目、香南一丁目、香南二丁目

名東区猪高町大字猪子石は、明徳公園の西半分や香流川沿いにわずかに残っています。千種区猪高町大字猪子石は、出来町通の南側、千代田橋と汁谷町に挟まれた区域に位置しています。この地域は、名古屋市北東部の良好な住宅地として知られています。

地名の由来

猪子石の地名は、地域内の神社にある石の名前に由来します。その石は猪の形に似ていることから名付けられたとされています。現在、香流川の北にある猪子石神社には牡石が、南にある大石神社には牝石があります。牝石は安産の神として信仰されていますが、牡石に触ると祟りがあると伝えられています。

歴史

猪高町大字猪子石の沿革

大和時代：尾張国山田郡に属す
奈良時代：山田荘（東大寺の荘園）に属す
室町時代：月心寺付近に猪子石城が存在
安土桃山時代：小牧・長久手の戦いで集落や城が徳川方に焼かれる
江戸時代：猪子石村として存在（現在の猪子石、香流、蓬来、平和が丘、引山、宮根学区あたり）
1889年（明治22年）：猪子石村が藤森村、東春日井郡猪子石原村と合併し、愛知郡猪子石村大字猪子石となる
1906年（明治39年）：高社村と合併し、猪高村大字猪子石となる
1955年（昭和30年）：猪高村が名古屋市千種区に編入され、同区猪高町大字猪子石となる
1966年（昭和41年）：一部が汁谷町となる
1975年（昭和50年）：千種区の旧猪高村地区を中心とした地域から名東区が新設され、一部が名東区猪高町大字猪子石となる
1976年（昭和51年）：名東区猪高町大字猪子石の一部が同区平和が丘一〜五丁目・八前三丁目・よもぎ台一〜三丁目となり、一部を社台一丁目へ編入
1977年（昭和52年）
名東区猪高町大字猪子石の一部が同区桜が丘となり、一部を平和が丘三〜四丁目・社台一丁目・高社一丁目へ編入
千種区猪高町大字猪子石の一部を同区桜が丘へ編入
1981年（昭和56年）
名東区猪高町大字猪子石の一部が千種区平和公園三丁目となり、一部を名東区平和が丘一〜三丁目へ編入
1981年（昭和56年）：千種区猪高町大字猪子石の一部が同区竹越一〜二丁目・千代田橋一〜二丁目となり、一部を東区鍋屋上野町へ編入
1983年（昭和58年）：千種区猪高町大字猪子石の一部が同区千代が丘・宮根台一〜二丁目・新西一〜二丁目・京命一〜二丁目となる
1984年（昭和59年）：千種区猪高町大字猪子石の一部が同区光が丘一〜二丁目となる
1986年（昭和61年）
名東区猪高町大字猪子石の一部が同区猪子石一〜三丁目・香坂・神月町・引山一〜二丁目・延珠町・香南一〜二丁目・香流一〜三丁目・山の手一〜三丁目・赤松台・つつじが丘・八前一〜二丁目・若葉台・文教台一〜二丁目・猪高台一〜二丁目となり、一部を平和が丘一丁目および四〜五丁目・八前三丁目・よもぎ台一〜三丁目・藤森西町・藤森一丁目・丁田町・上菅一〜二丁目・社口一〜二丁目・社台一丁目へ編入

猪子石の成立

1986年（昭和61年）5月3日、名東区猪高町大字猪子石の一部より、同区猪子石一〜三丁目が成立しました。

世帯数と人口

2019年（平成31年）4月1日現在の世帯数と人口は以下の通りです。

猪子石：
猪高町大字猪子石：

学区

市立小・中学校に通う場合、学校は以下の通りです。公立高等学校に通う場合の学区も定められています。

猪子石：
猪高町大字猪子石：

施設

猪子石一丁目：名古屋香流郵便局、コスモスベリーズ本社
猪子石二丁目：名古屋市立猪子石小学校、名古屋市上下水道局猪高配水場、東海技術センター

交通

国道302号（名古屋環状2号線）
* 愛知県道215号田籾名古屋線（出来町通）

その他

地名の読み方について、官公庁では「いのこいし」としていますが、地元住民の多くは「いのこし」と読みます。古い施設名（バス停など）では、後者の読み方が使われています。また、津本陽の小説「下天は夢か」には、織田信長が今川義元への備えとしてこの場所に兵を置いたという記述があります。

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