玄岳

玄岳（くろたけ）

玄岳は静岡県の伊豆半島にあり、その北東部の山稜に位置する標高798mの山です。この山は熱海市、田方郡函南町、伊豆の国市の3市町にまたがっています。約70万年前から30万年前にかけて活動した多賀火山の東側が、長い年月を経て侵食され、現在の形状となっています。山の頂上には799.2mと表示されていますが、国土地理院による標高情報とは若干の相違があります。

山頂の西から北斜面には、観光道路の伊豆スカイラインが整備されており、この部分は特に眺めが良いとされています。駐車場もいくつか備えられており、訪れる人々がこの美しい景色を楽しめるようになっています。また、伊豆半島ジオパークの指定地の一部として、この地域からの素晴らしい展望が評価されています。

玄岳の山頂北には氷ヶ池が存在し、かつてはここから氷を切り出していました。この周辺には、かつて熱海高原ロープウェイの玄岳駅が存在した記録もあり、現在でもその名残が残っています。ただし、その施設は今ではほとんど使用されず、老朽化が進んでいます。

また、山頂の南東斜面には歴史的な出来事もあります。1933年8月7日、朝鮮で初めての女性パイロットである朴敬元が、日満親善飛行の途中で墜落し、その地で命を落としました。この場所には彼女を追悼する碑も残され、訪れることができます。

登山情報

玄岳の登山は比較的短時間でできるため、初心者でもアクセスしやすい人気のスポットです。西丹那駐車場から最も近い登山口を利用すると、山頂まで約10分ほどで到達できます。

山頂付近は背の低いササに覆われていますが、山頂そのものは芝生となっており、360度の素晴らしい展望が広がっています。晴れた日の登山では、南アルプスや富士山、箱根山、静浦山地、駿河湾、天城山、相模灘など、さまざまな名山や風景を見渡すことができます。

このように、玄岳は自然の美しさと歴史が交差する場所であり、訪れる人々にとって魅力的な登山の選択肢となっているのです。特に四季折々の風景変化を楽しむことができ、観光客や地元住民に親しまれています。

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