玄武館

玄武館：北辰一刀流の道場

玄武館は、千葉周作によって開かれた北辰一刀流の道場です。「力の斎藤」（神道無念流・練兵館）、「位の桃井」（鏡新明智流・士学館）と並び、「技の千葉」と称され、幕末江戸三大道場の一つとして名を馳せました。

歴史

創設

中西派一刀流・浅利義信の後継者となるはずだった千葉周作は、浅利との対立により離縁。1822年（文政5年）秋、日本橋品川町に玄武館を設立し、流派名を北辰一刀流としました。

幕末期

その後、道場は神田於玉ヶ池に移転。於玉ヶ池周辺は学者町であったため、門人が学問に触れる機会が多く、政治に関心を抱く者が増え、明治維新に影響を与えたとも言われています。実際に玄武館の隣には儒学者・東条一堂が教鞭を執る瑶池塾があり、東条に師事する北辰一刀流の門下生も少なくありませんでした。また、斜め向かいには天神真楊流柔術の道場があり、北辰一刀流と天神真楊流を併習する者もいました。周作とその一門は、道場を経営しながら水戸藩の師範も務めていました。

しかし、周作の子たちが早世したため、玄武館は一時閉門することになります。

明治以降

1883年（明治16年）、周作の孫である千葉周之介（之胤）が、旧玄武館門弟であった山岡鉄舟と井上八郎の後見を受け、東京府東京市神田区神田錦町に玄武館を再興しました。

また、周作の三男・千葉道三郎に師事した小林定之は、東京府東京市本所区菊川町に至誠館を開きました。その養子である小林四郎は、北海道小樽市へ渡り、1913年（大正2年）に小樽に玄武館を開きました。小樽玄武館は太平洋戦争中の1944年（昭和19年）に閉鎖されました。

1950年（昭和25年）、小樽玄武館の内弟子であった小西重治郎成之が東京都杉並区善福寺に道場を開き、玄武館の五代目を継承しました。重治郎は半世紀にわたって館長を務め、2008年（平成20年）6月に亡くなりました。

その後、重治郎の実子である小西真円一之が六代目を継承し、21世紀の現在では、目黒、宇都宮、飯能、韓国のソウルとプサンに支部道場、水戸と鉾田に愛好会が存在します。

関係者・門人

千葉家係累
玄武館四天王
その他門人

脚注

出典

参考文献

『月刊剣道日本』1977年4月号 特集江戸三大道場、スキージャーナル
『月刊剣道日本』1978年3月号 特集北辰一刀流千葉周作、スキージャーナル

関連項目

桶町千葉道場
水戸東武館
北辰一刀流
虎韜館
赤胴鈴之助

外部リンク

玄武館跡 右文尚武の碑
北辰一刀流 虎韜館
北辰一刀流宗家椎名市衛成胤ページ
北辰一刀流玄武館

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