玄海町

佐賀県玄海町の概要

佐賀県北西部に位置する玄海町は、東松浦郡に属する町で、玄界灘に面した自然豊かな地域です。東松浦半島の中央部に位置し、佐賀市から北西へ約50kmの距離にあります。町名は、玄界灘の別名である「玄海」に由来し、佐賀県内の市町の中では最も人口が少ないことで知られています。

地理と気候

玄海町は、町の北側から西側にかけて玄界灘に面しており、海岸線は美しい景観を誇ります。町の中央部には内陸部があり、天狗岳（標高146m）などの山々が連なっています。有浦川、石田川、浜野浦川、八田川、志礼川などの河川が流れ、諸藤ノ平ダムなどの湖沼も点在します。また、竹ノ子島や三島などの島々も町域に含まれています。気候は、対馬暖流の影響を受ける海洋性気候で、比較的温暖で寒暖差が少ないのが特徴です。

歴史

玄海町は、1956年（昭和31年）に値賀村と有浦村が合併して誕生しました。その後、1957年（昭和32年）には切木村の一部が編入され、現在の町域が確定しました。平成の大合併では、東松浦郡の他の町村が唐津市と合併する中、玄海町は単独自治の道を選びました。

行政と財政

玄海町の町長は脇山伸太郎氏で、2018年から2期目を務めています。町議会は定数10名ですが、現在は欠員があり9名で構成されています。特筆すべきは、玄海原子力発電所の立地による多額の税収により、全国でも数少ない普通交付税不交付団体である点です。しかし、税収の減少や少子高齢化が課題となっており、将来的な運営には不安も残ります。

産業

玄海町は、九州電力初の原子力発電所である玄海原子力発電所があることで知られています。また、2005年には県内初の風力発電所「玄海ウィンドファーム」も稼働を開始しました。農業・漁業も盛んで、タイの養殖、和牛、タマネギ、葉タバコ、温州みかん、ハウスイチゴなどが特産品です。

交通

町内には鉄道が通っておらず、最寄りの駅はJR唐津線の西唐津駅です。西唐津駅からは、昭和自動車の路線バスが町内主要地域を結んでいます。また、町内にはコミュニティバスも運行されています。道路は、国道204号や佐賀県道47号などが主要な交通網です。

文化と観光

玄海町には、玄海エネルギーパークやわくど岩などの観光スポットがあり、自然景観を楽しめます。また、浜野浦の棚田は「恋人の聖地」にも認定されています。町内では、ほうけんぎょう、的射り講、金比羅大祭、値賀神社夏の例祭、玄海町花火大会など、様々な祭事やイベントが開催されます。

教育・福祉

町内には、佐賀県立唐津青翔高等学校や、義務教育学校の玄海みらい学園があります。また、複数の保育園も運営されています。平均年齢は45.45歳で、少子高齢化が進んでいる状況です。

その他

玄海町は、フランスのグラブリーヌ町や韓国の釜山広域市機張郡と姉妹都市提携を結んでいます。警察は唐津警察署の管轄で、消防は唐津市消防署西部分署の管轄となっています。

まとめ

玄海町は、自然豊かな環境と独自の歴史・文化を持つ町です。原子力発電所による財政基盤がある一方で、少子高齢化という課題にも直面しています。今後の町の発展には、これらの課題への取り組みが重要となるでしょう。

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