玄秀盛

玄秀盛（げん ひでもり）氏は、1956年大阪市西成区で生まれました。在日韓国・朝鮮人の家庭で育ち、中学卒業後は自動車修理工から始まり、寿司屋、トラック運転手、靴屋、葬儀屋、キャバレーの店長など、多岐にわたる28業種を経験しました。その後、建設、不動産、調査業など、10社以上の会社を設立し、サラ金経営にも携わったことから、ヤクザとの抗争も経験しています。

1990年には天台宗の僧侶である大阿闍梨酒井雄哉氏のもとで得度し、僧侶としての道も歩みました。2000年には、白血病のリスクがあるHTLV-Iウイルスに感染していることが判明しました。2002年5月、NPO法人「日本ソーシャル・マイノリティ協会」（JSMA）新宿救護センターを開設し、社会的に弱い立場の人々の支援を開始。2011年7月には日本財団の支援を受け、「日本駆け込み寺」を設立しました。

2012年には日本国籍を取得。その波乱に満ちた人生は、渡辺謙氏の企画・主演によるテレビドラマ『愛・命〜新宿歌舞伎町駆け込み寺～』（2011年）として映像化もされています。

日本駆け込み寺では、DV（ドメスティックバイオレンス）の加害者・被害者、金銭トラブル、家出、刑務所出所者・出院者（家族含む）、家庭内暴力、ストーカーなど、様々な相談に対応しています。虐待や不登校に関する相談も受けています。2015年4月には、再チャレンジ支援機構と共に、民間業者と協力して、出所者が働く居酒屋「新宿駆け込み餃子」をオープンさせました。

再チャレンジ支援機構では、出所者の就労体験の実施や出所者向けの居酒屋の運営、ひきこもり・ニート（当事者・家族を含む）の相談支援を行っています。玄秀盛氏は、これらの活動を通じて、社会的に孤立しがちな人々への支援を続けています。

著書も多数あり、自身の経験や活動を通じて得た知恵を社会に還元しています。主な著書としては、『死ぬ前に読め! 新宿歌舞伎町で10000人を救った生きるための知恵』、『泣いてもええねんすべてはそれからや 玄さんの歌舞伎町駆けこみ寺』、『しあわせ駆けこみ寺 心がふわりと軽くなる88の言葉』、『玄理玄則 今日を生きるための言葉、明日に生かす言葉』、『一日一生 新宿歌舞伎町駆けこみ寺』、『新宿歌舞伎町駆けこみ寺 解決できへんもんはない』などがあります。

また、漫画の監修も手がけており、『無敵道』、『REIJI~無敵道新章』、『交渉人 堂本零時』、『恨まれ屋』など、自身の経験を基にした作品も存在します。これらの漫画作品は、玄秀盛氏の波乱万丈な人生や、社会の裏側を垣間見ることができる内容となっています。

玄秀盛氏を主人公にした映像化作品としては、テレビドラマ『こちら新宿駆けこみ寺〜泣き笑い玄さん奮闘記〜』や『愛・命 〜新宿歌舞伎町駆け込み寺〜』、Vシネマ『実録・無敵道』、ドキュメンタリー『信じる男 信じられた男〜新宿歌舞伎町・駆け込み寺〜』などがあります。これらの映像作品を通じて、玄秀盛氏の活動や人となりを知ることができます。

玄秀盛氏は、その多岐にわたる経験と、社会的な弱者への強い共感に基づき、多くの人々の再チャレンジを支援しています。彼の活動は、社会におけるセーフティネットの重要性を示唆するとともに、困難な状況にある人々への希望の光となっています。

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