玉つきゲームは楽しいね

トムとジェリー：ビリヤード場の攻防

『玉つきゲームは楽しいね』（原題：Cue Ball Cat）は、1950年に公開されたトムとジェリーシリーズの一作品です。ハンナ・バーベラ黄金期の作品として知られており、54作目に当たります。本作では、静寂に包まれたビリヤード場が舞台となり、トムとジェリーの息詰まる攻防が繰り広げられます。

ストーリー

主人公トムは、ビリヤード台で一人、気持ちよさそうにゲームを楽しんでいました。一方、ビリヤード台のポケットの奥深くで眠っていたジェリーは、突如として降り注ぐビリヤードボールの音で目を覚まします。不意を突かれたジェリーは、ボールに追いかけられ、ポケットから飛び出します。

その様子を目撃したトムは、優れたビリヤード技術を駆使してジェリーを追い詰めます。巧みな球さばきと予測不能な動きで、ジェリーは窮地に陥ります。しかし、小さな体と機敏な動きを武器に、ジェリーはしぶとくトムの攻撃をかわしていきます。

ビリヤード台の上では、トムとジェリーの追いかけっこが続きます。互いの知略と機転を凝らした攻防は、見ている者を飽きさせません。ジェリーは何度も窮地に陥りますが、持ち前の知恵と勇気、そして幸運によって危機を脱します。

最終的には、ジェリーがトムを巧みに罠にはめます。トムがジェリーをポケットに追い詰めてキューで突こうとした時、ジェリーは事前に針を仕掛けていました。トムは自身の尻に針を突き刺してしまい、激痛に悶え苦しみます。その隙にジェリーは、ラックを組み、ブレイクショットを放ちます。ボールは次々とポケットに吸い込まれていきます。そして、最後のボールがトムの目前に転がった時、ジェリーはキューでトムを殴り、ボールをトムの口に押し込み、ポケットインさせました。

キャラクター

トム：本作では、ビリヤードゲームに興じる姿から一転、ジェリーとの追いかけっこに巻き込まれます。得意のビリヤード技術を駆使しますが、ジェリーの策略にはまり、最後は痛烈な仕返しを受けることになります。
ジェリー：最初はビリヤードボールに襲われ、トムに追いかけられる立場でしたが、知恵と機転を活かしてトムを出し抜き、見事な逆転劇を演じます。トムの弱点を突いた、痛快な仕返しは本作の見どころです。

スタッフ

監督：ウィリアム・ハンナ、ジョセフ・バーベラ
製作：フレッド・クインビー
作画：ケネス・ミューズ、エド・バージ、レイ・パターソン、アーヴン・スペンス
音楽：スコット・ブラッドリー

作品全体の印象

『玉つきゲームは楽しいね』は、トムとジェリーシリーズの中でも特にテンポが良く、コミカルなアクションが満載の作品です。ビリヤードという独特の舞台設定と、トムとジェリーの知略の応酬が見事に融合し、飽きさせない展開が魅力です。ハンナ・バーベラ作品らしい、軽快な音楽と、キャラクターの個性豊かな動きにも注目です。ジェリーの機転の利いた行動や、トムの予想外の行動など、見ている者を何度も笑わせるシーンが散りばめられています。この作品は、世代を超えて楽しめる、傑作カートゥーンとして高く評価されています。

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