玉丘古墳群

玉丘古墳群：古代の息吹を感じる場所

兵庫県加西市玉丘町に広がる玉丘古墳群は、国指定の史跡であり、古墳時代中期を中心とした多様な形状の古墳が点在する貴重な場所です。この古墳群は、玉丘古墳、クワンス塚古墳、陪塚第1号墳・第2号墳、壇塔山古墳、そして移築復元された愛染古墳の計7基の古墳から構成されています。周辺は玉丘史跡公園として整備され、歴史を学びながら自然に親しむことができる市民の憩いの場となっています。

多様な形状の古墳群

玉丘古墳群の最大の特徴は、様々な形状の古墳が一度に見られることです。前方後円墳、円墳、横穴式石室墳、帆立貝式古墳など、古墳時代の多様な築造技術を垣間見ることができます。

玉丘古墳

古墳群の中心的存在である玉丘古墳は、全長約109m、前方部幅約54m、後円部径約64mを誇る前方後円墳です。墳丘は3段に築成され、兵庫県下でも6番目の規模を誇ります。墳丘の周囲には幅約20mの周濠が巡らされており、発掘調査によって、円筒埴輪を中心に家形や鶏形の埴輪が多数並べられていたことが判明しています。この古墳は、『播磨国風土記』に記された根日女と二人の皇子の悲恋物語の舞台としても知られています。現在も加西市では、「根日女」の名が観光PRに多く用いられています。

クワンス塚古墳

玉丘古墳の西約170mに位置するクワンス塚古墳は、直径約35mの円墳で、墳丘は2段の盛土によって形成されています。墳頂部には、割竹形木棺が納められていたと推測される竪穴式石槨が残っています。発掘調査では、剣、直刀、短甲、鉾などの武具、斧などの農工具、鶏形埴輪などの形象埴輪、土器類、様々な形状の土製品が出土しており、当時の埋葬文化や生活を知る上で重要な資料となっています。

陪塚第1号墳・第2号墳

玉丘古墳の東西に位置する陪塚は、それぞれ異なる形状を持ちます。第1号墳は、直径約25mの円墳と推測されていますが、前方後円墳説も存在します。第2号墳は、一辺の長さが24mの方墳です。これらの古墳からは、周濠から凝灰岩片や埴輪が出土しており、古墳時代中期に築造されたことが判明しています。

壇塔山古墳

壇塔山古墳は、古墳時代中期（5世紀前半）に築造された直径17mの円墳で、周溝幅は2mです。この古墳からも円筒埴輪が出土しており、当時の古墳文化を物語っています。

愛染古墳

愛染古墳は、他の古墳とは異なり、移築復元された古墳です。様々な形状の古墳が存在する玉丘古墳群を語る上で欠かせない存在です。

玉丘史跡公園

玉丘古墳群は、玉丘史跡公園として整備されており、自然豊かな環境の中で歴史と文化を学ぶことができます。公園内には野池もあり、市民の憩いの場、自然観察の場として親しまれています。

アクセス

北条鉄道北条線「北条町駅」から徒歩約30分。

周辺施設

近隣には兵庫県立フラワーセンターがあります。

関連情報

玉丘史跡公園
亀山古墳 (加西市)

参考サイト

玉丘史跡公園公式HP
玉丘古墳群 - 国指定文化財等データベース（文化庁）
玉丘古墳群 - 文化遺産オンライン（文化庁）

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