玉仁洞

玉仁洞（オギンどう、オギンドン）

玉仁洞は、韓国・ソウル特別市鐘路区に位置する行政区画で、隣接する洞と共に豊かな歴史を持っています。北側は付岩洞や清雲洞、東側には新橋洞と孝子洞、南側は通仁洞、楼上洞、楼下洞、西側は弘済洞と接しており、地理的にも興味深い場所です。

洞名の由来

この名前は「玉洞」と「仁王洞」に由来しています。地域の歴史や文化が反映されている名称で、地元の人々に親しまれています。

歴史的背景

玉仁洞は朝鮮初期には漢城府北部俊秀坊の一部でした。1867年に漢城府北部俊秀坊旧司圃署の下に組織されたのち、1894年の甲午改革では仁王洞と玉洞が該当地域となりました。1914年には行政区画の統廃合により、仁王洞と玉洞が一つの玉仁洞として統合されました。その後、同年9月には京城府北部出張所玉仁洞が設立され、1936年には日本式の名称である玉仁町に改称されました。1943年には区制が実施され、鐘路区の玉仁町となります。そして1946年、日本の支配からの清算が行われる際に再び「玉仁洞」と名付けられました。

名所と文化

玉仁洞には仁王山の中腹に位置する小盤バウィや芝草バウィなどの岩が存在し、また慈寿宮橋や弼雲洞、楼下洞、楼上洞といった名所も含まれています。仁慶宮は1676年から1682年にかけて建設が行われましたが、仁祖反正によって工事が中断され、その後1692年に一部が撤去され昌慶宮の建設に使用されました。仁慶宮に建てられた殿閣は、孝宗以降に粛宗や英祖の時代に無くなり、民家が建ち並ぶようになりました。

小盤バウィは、その形状が「お膳」に似ていることから命名されています。仁王山の中腹まで住宅が広がっており、多くの地域が毀損されてしまっています。慈寿宮橋はその名の通り慈寿宮の近くにあり、松石園は松の木と岩の調和から名づけられました。これらの場所は、地域の風景や文化を彩る重要なエリアです。

また、玉仁洞には文化財として朴魯寿家屋（ソウル文化財資料1）が存在し、地域の歴史を感じさせる貴重な建物です。さらに、1979年に開園した玉仁公園は、472㎡の広さを誇る休息空間として市民に親しまれています。また、1998年に設立された「ラファエルの家」は、社会福祉施設として地域の人々に支援を提供しています。

これらの要素から、玉仁洞は単なる居住地にとどまらず、歴史や文化が凝縮された魅力的な地域であることが分かります。

もう一度検索