玉割り人ゆき 西の廓夕月楼

玉割り人ゆき 西の廓夕月楼

『玉割り人ゆき 西の廓夕月楼』は、1976年に公開された日本映画であり、潤ますみが主演、牧口雄二が監督を務めた作品です。東映京都撮影所が製作し、R-18指定を受けています。原作は松森正の劇画『玉割り人ゆき』です。

概要

本作は、1975年に公開された『玉割り人ゆき』の続編にあたります。当初は前作と同じ1975年8月に公開予定でしたが、お蔵入りとなり、半年後に公開されました。シリーズ3作目の製作も予定されていましたが、実現には至りませんでした。

あらすじ

シリーズ2作目となる本作は、古都金沢の廓を舞台に、玉割り人ゆきと娼妓たちとの性の訓練、そして青年楼主との愛を描いています。

製作の背景

舞台設定が原作と異なるため、脚本は田中陽造によるオリジナルです。脚本の田中と牧口監督、プロデューサーは金沢でロケハンを行いましたが、町の雰囲気がポルノと馴染まないという問題が生じました。また、九谷焼の絵師をヒロインに絡ませるというストーリーも、牧口監督とプロデューサーによって却下されました。その後、会社から佐久間良子主演の『五番町夕霧楼』を参考にするように指示がありました。金沢弁については、地元出身者が手直しを行っています。

撮影

製作費は前作同様500万円でしたが、金沢ロケのために100万円が追加されました。低予算の東映ニューポルノだったため、残業は一切禁止されましたが、撮影関係者の努力により、金沢近くの海岸でロケ2日半、実働12日間で撮影されました。物語上、金沢周辺でなくてはならない橋のシーンは、京都木津川流れ橋で撮影されています。

キャスティング

お俊役には中島葵がキャスティングされました。これは、主演の潤ますみの演技力が不足していると考えられたため、演技力のある女優が求められたからです。中島葵は三味線を自分で演奏し、牧口監督から高く評価されました。一方、潤ますみは「雰囲気だけの女優」と評されています。また、『仮面の忍者 赤影』で赤影役を演じた坂口徹（坂口祐三郎）が、夕月楼の主人・清次郎役として出演しています。

スタッフ

企画：三村敬三、奈村協
監督：牧口雄二
原作（劇画）：三木孝祐、松森正
脚本：田中陽造
撮影：塩見作治
音楽：渡辺岳夫
美術：竹川輝夫
編集：神田忠男

キャスト

ゆき：潤ますみ
清次郎：坂口徹
お俊：中島葵
美代：森崎由紀
伊藤青雨：長島隆一
上原：成瀬正

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