玉川 (秋田県)

玉川（たまがわ）

玉川は秋田県を流れる一級河川で、別名副川とも呼ばれています。雄物川の支流の中では最も長い川として知られ、地域の自然や文化に深く関わっています。この川の水は玉川温泉から流れ出し、高い酸性を持つことから「玉川毒水」とも称され、独特の環境を形成しています。

流路の紹介

玉川は、秋田県仙北市の田沢湖田沢に位置する大深岳を源流とし、いくつかの支流が合流しながら国道341号に沿って流れます。玉川ダムや鎧畑ダムなどの山間部を通過した後、集落に到達し、田沢湖に流れ込みます。この地域では、田沢疏水の一部も利用されており、農地に水を供給しています。

その後、夏瀬ダムや神代ダムを経て抱返り渓谷を流れ、横手盆地へと進むと、南西に向かい大仙市花館付近で雄物川に合流します。上流部には水力発電所が点在しており、この地域の電力供給にも寄与しています。

環境への影響

歴史を振り返ると、第二次世界大戦中に発電所が建設されたことが玉川の環境に深刻な影響を与えました。玉川毒水が田沢湖に流入し、湖内の生物がほとんど絶滅してしまったのです。特に、田沢湖特有の魚であるクニマスは絶滅したと考えられ、2010年になって山梨県に移植された個体が生存していることが確認されました。

また、古くからの記録には、春の雪解け水が流れる時期には毒水が薄まり、鱒やヤツメウナギが遡上していたという逸話も残っています。天保年間の鱒漁の記録もあり、その時期の玉川の自然環境の豊かさを知る手がかりとなっています。

伝説の存在

玉川には、昔鮭が豊富に遡上していたという伝説があります。しかし、特定の出来事を境にその姿が見えなくなってしまったと言われており、この話には大威徳明王にまつわる逸話が語られています。

昔、大威徳神社が山頂に祀られ、漁夫たちは秋になると玉川で鮭漁を行っていました。その様子を毎日眺める背の高い僧がいたが、漁夫たちは僧をからかうように鮭を無理やり背負わせて帰らせました。すると、その日を境に鮭が姿を消してしまったと言われています。また、一説には鮭を見ていた赤い着物の子供が鮭を盗んでしまったという伝説も存在し、神社に腹痛を治してもらうためには鮭を禁じる習わしが根付いています。

支流と構造

玉川には多くの支流が存在し、渋黒川、小和瀬川、先達川、生保内川などがその一部です。流域には仙北市と大仙市といった複数の自治体が点在しており、地域社会における水の重要性が伺えます。

主な橋梁

また、玉川にはいくつかの主要な橋もあります。男神橋、新玉川大橋、田沢湖橋などが河川の交通を支えており、地域の発展に寄与しています。特に新玉川橋は国道13号大曲バイパスとして重要な役割を持っています。

参照文献

玉川に関する詳しい情報は、国土地理院などの地図サービスや関連項目を通じて知ることができます。

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