玉川ダム (愛媛県)

玉川ダムについて

玉川ダム（たまがわダム）は、愛媛県今治市に位置し、二級河川である蒼社川水系に造られた多目的ダムです。このダムは洪水調節、不特定利水、上水道供給、工業用水、発電など多岐にわたる目的を持っています。愛媛県が管理するこの施設は地域社会にとって欠かせない存在となっています。

歴史的背景

玉川ダムの建設は、蒼社川流域の特異な地形と水資源の課題が背景にあります。流域土壌は花崗岩の風化によって作られた真砂土であり、特に平野部の山手橋周辺では天井川が形成されています。そのため、表流水は非常に少なく、ここの住民は地下水に依存していました。しかし、今治市の人口増加や工業用水の需要増加に伴い、地下水の枯渇が懸念されるようになりました。

このような状況を受けて、愛媛県は1964年に蒼社川の総合開発事業を開始しました。このプロジェクトでは、地域の水資源を確保するための調査が行われ、1968年からはダム本体の工事にも着手しました。そして、1971年3月に玉川ダムは無事に完成を迎えることができました。さらに、2017年1月には小水力発電所が完成し、ダムの発電機能も強化され、地域のエネルギー需要に応える役割を果たしています。

周辺環境と利用

玉川ダムはその水面と周辺の自然環境が魅力で、多くの人々が訪れる観光スポットとなっています。春には1500本の桜が咲き誇り、多くの花見客で賑わいます。そのため、ダム湖周辺は美しい景観を楽しむ場としても知られています。また、周辺にはキャンプ場や公園が整備され、アウトドア活動にも人気なスポットとされています。

市営艇庫も設置されており、地元の学生たちは放課後や休日にボート練習やレースを行っています。こうしたアクティビティは地域住民にとって日常の一部となり、健康的なライフスタイルの促進にも寄与しています。

映画との関わり

玉川ダムは映画制作においても利用されました。1998年に公開された映画『がんばっていきまっしょい』では、ボートレースのシーンや応援風景がこのダム湖を舞台に撮影され、映画ファンの間でも話題となりました。

アクセス情報

このダムへのアクセスは、瀬戸内運輸（せとうちバス）の「玉川ダム」バス停を利用することができます。周辺は自然が豊かで、観光やレジャーを楽しむことができるため、訪れる価値が十分にあります。

玉川ダムは、地域の水資源を確保する重要な役割を果たすだけでなく、景観やレクリエーションの面でも多くの人々に愛され続けています。

もう一度検索