瀬戸内運輸

瀬戸内運輸株式会社の概要

瀬戸内運輸株式会社は、愛媛県今治市に本社を構えるバス道路交通企業です。通称「せとうちバス」として知られるこの会社は、愛媛県の東予地方を中心に、地域の路線バスや貸切バスを運行しています。特に、松山市や四国中央市を結ぶ路線が強化されており、また、高速バスも運行しており、東京や関西、広島、福岡と東予地域を繋いでいます。

会社の運営と保有車両

瀬戸内運輸のバス保有台数は258両に達し、その中には路線バス115両、貸切バス73両があります。地域子会社である瀬戸内海交通やせとうち周桑バスと合わせると、全体で238両のバスを保有しており、愛媛県内では代表的な観光バス事業者としても広く認知されています。これに加えて、運輸サービスのほかにも、貨物輸送やタクシー業務にも積極的に展開しています。

歴史的背景

その起源は1916年に、広島の尾道市で設立された「瀬戸内商船」に遡ります。最初は海運業を中心とした事業を展開していましたが、1919年にバス路線を開設して展開を始めました。昭和初期には複数のバス事業者が競争を繰り広げましたが、戦時統合により瀬戸内運輸へと統合されました。1943年に商号が変わり、今治市を中心に路線を拡大しました。戦後も積極的にバス路線の開設を行い、1950年代には伊予鉄道との協定も結ばれて急行バス路線が運行されるなど、運輸事業の発展が続きました。

現在の運行

近年では、都市間の高速バス路線の開設に力を入れており、東京行きの「パイレーツ号」や広島行きの「しまなみライナー」などの路線が運行されています。また、乗合バスの使用においては、特急・観光・地域輸送の充実を図っています。特に、新居浜市や今治市を経由する路線は、地域の生活や観光に重要な役割を果たしています。

自社車両の特徴と展開

バス車両にはワンステップバスが多く導入されており、多目的に配慮された設計がなされています。また、高速路線用にはエアロバスやエアロエースなどの大型車が主に使用されています。福祉に配慮したバスも取り入れ、利用者が快適に乗車できる環境作りに努めています。

今後の展望

今後も地域交通の要として運営を続け、「LAC（らく）バス」というバスロケーションアプリの導入を決定しており、さらに便利で効率的なサービス提供を目指しています。バス路線の整備や改善は続けられ、地域のニーズに応えることを重視しています。このように、地域に密着した運輸事業を行う瀬戸内運輸は、今後も愛媛の交通の中心として重要な役割を果たしていくでしょう。

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