玉泉寺 (恵那市)

玉泉寺は、岐阜県恵那市上矢作町下にある曹洞宗の寺院です。山号を龍洞山と称し、本尊として釈迦牟尼如来を祀っています。また、恵那三十三観音霊場の十六番札所としても知られ、如意輪観音菩薩も祀られています。

歴史

玉泉寺の歴史は、慶長12年（1607年）に岩村藩主の松平家乗が宗薫を開山として、谷下の地に蟠龍山 長松寺として創建されたことに始まります。その後、慶長15年（1610年）には龍波が二世住持となり、慶長19年（1614年）に澄ヶ瀬射去の地に移転する際に、山号と寺号を現在の龍洞山 玉泉寺に改めました。正保3年（1646年）には玄悦が住持となり、延宝3年（1679年）には火災に見舞われましたが、玄悦の法嗣である求峰が再建に尽力し、岩村町の盛巌寺六世の在天三龍を中興開山に招きました。この再建により、玉泉寺は盛巌寺の末寺となり、求峰自身は中興二世となりました。

明治7年（1874年）の『寺院明細』によると、当時の檀家数は237戸でした。現在では、恵那市上矢作町下、上矢作町小田子、上矢作町漆原の各集落が檀家となっています。

境内

玉泉寺の境内には、以下の建物があります。

本堂：縦6間、横8間の規模で、本尊の釈迦牟尼如来が安置されています。
位牌堂：縦2間半、横3間の建物です。
禅堂：縦2間半、横4間の建物です。
庫裏：縦4間半、横10間の規模です。

本堂には本尊の他に、恵那三十三観音霊場十六番札所としての如意輪観音菩薩も祀られています。また、境内にある古木枝垂桜は、過去の火災で損傷を受けながらも焼失を免れたことから、「不死身の桜」と称されています。この桜は、玉泉寺の歴史と人々の信仰を今に伝える象徴的な存在です。

玉泉寺は、創建から数々の変遷を経て現在に至ります。火災からの復興や移転など、困難を乗り越えながらも、地域の人々の心のよりどころとして、その存在は大切にされています。

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