『王の乱立』詳細解説
『王の乱立』は、
HBO制作のファンタジードラマ『
ゲーム・オブ・スローンズ』シーズン2の第1話であり、物語の舞台は、ロバート・バラシオン王の死後、七王国で複数の王が乱立し、対立が激化していく時代です。このエピソードでは、主要な登場人物たちの新たな動きと、それぞれの目的が描かれています。
ドラゴンストーン
ロバート王の弟であるスタニス・バラシオンは、自らが正当な後継者であると主張し、王位を奪おうとします。彼は、ジョフリー、トメン、ミアセラがロバート王の血を引いておらず、サーセイとジェイミーの近親相姦によって生まれた子であることを暴露します。スタニスは、助言者のダヴォスの意見を聞き入れず、他の王位要求者との同盟を拒否し、彼らを王位僭称者と見なし、服従を迫ります。また、スタニスは、メイスターのクレッセンの反対を押し切り、女祭司メリサンドルの影響を受け、〈光の王〉という新たな神を信仰し、七神正教の神像を燃やします。クレッセンは、メリサンドルの力を恐れ、彼女を毒殺しようとしますが、失敗に終わります。
スタークの陣
〈北部〉の王を名乗るロブ・スタークは、捕虜としたジェイミー・ラニスターに、スタニスからの手紙を見せます。そこには、ジェイミーがサーセイの子の父親であると書かれており、この事実がブランの負傷やエダードの処刑に繋がったことを明かします。ロブは、ジェイミーを人質とし、ラニスター家と交渉することを決めます。その交渉条件として、妹たちの解放、エダードの遺体の返還、そして北部の独立を要求します。ロブは、ラニスター軍に三度勝利していますが、戦争を一人で戦うことは不可能だと悟り、シオン・グレイジョイを鉄諸島に派遣し、協力を仰ぎます。また、母親のキャトリンは、レンリー・バラシオンの陣営へ向かい、同盟の交渉をすることになります。
ウィンターフェル
ロブが不在の間、ブランはウィンターフェルの領主としての仕事を学び始めます。彼は、
ダイアウルフのサマーになる不思議な夢を見ます。夢についてオシャに尋ねられますが、ブランは答えません。二人は空に彗星を見つけ、ブランは勝利の前兆と解釈しますが、オシャはドラゴンが現れる前兆であると主張します。
〈壁〉の向こう側
ジョン・スノウ率いる偵察隊は、〈クラスターの砦〉に到着します。クラスターは、〈野人〉の指導者マンス・レイダーが、〈壁〉の南の軍よりも大きな軍を率いていると告げます。ジョンは、クラスターが娘たちを妻としていることに嫌悪感を抱きますが、総帥のモーモントから指導者としての心得を説かれます。
狭い海の向こう側
デナーリス・ターガリエンは、部族の残りを率いて〈赤い荒地〉を旅します。過酷な旅の中で、生まれたばかりのドラゴンは餌を食べず、馬は疲労のために死んでいきます。デナーリスは、斥候を三方向に派遣します。
キングズランディング
ジョフリー王の命名式が開催されます。サンサは、酔っ払った騎士ドントスを処刑せずに道化として生きることを許します。ティリオンは、父の代わりとして〈王の手〉に就任するためにキングズランディングに戻り、祝賀行事は中止されます。サーセイは、ティリオンが〈王の手〉になったことに怒りますが、助言者の立場にとどまることを約束されたため、受け入れます。ティリオンは、アリアが逃げ出し、人質を二人も失ったとサーセイを責めます。ティリオンは、サンサとアリアをジェイミーと交換する予定でした。ジョフリー王は、スタニスからの手紙についてサーセイを問い詰めます。その直後、ジャノス・スリント率いる〈王都の守人〉が、ロバート王の落とし子を殺害していきます。ジェンドリーは既に王都を出ており、〈壁〉へ向かう一団の中にいることが判明します。同じ一団の中には、アリアもいました。
製作
このエピソードの脚本は、原作の第二部『
王狼たちの戦旗』の複数の章を基に、
デイヴィッド・ベニオフとD・B・ワイスによって書かれました。脚本家たちは、登場人物とサブプロットの増加に苦労し、スタニスのシーンを簡略化しました。また、メリサンドルの外見をより人間的に変更しました。また、ロブとジェイミーが牢で対峙するシーン、サーセイとリトルフィンガーの権力に関する議論、ジョフリーが母親に反抗するシーンなどが追加されました。シーズン2は、原作から次第に離れていくことになります。
ロケーション
撮影は、
ベルファスト近郊のスタジオと
北アイルランドで行われました。キングズランディングの野外シーンは、
クロアチアの
ドゥブロヴニクで撮影されました。
ドゥブロヴニクは、中世の雰囲気を残した、高い壁に囲まれた海辺の街で、キングズランディングのシーンに非常に適していました。
視聴率
このエピソードは、シリーズ最高の385万人が視聴し、18歳から49歳までの視聴率は2.0%に達しました。同夜の再放送を含めると、630万人が視聴しました。
外部リンク
スター・チャンネル 『
ゲーム・オブ・スローンズ』ページ
ワーナー・ブラザース DVD&Blu-ray 『ゲーム・オブ・スローンズ』ページ
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Official U.S. website HBO