王子製紙米子硬式野球部

王子製紙米子硬式野球部

王子製紙米子硬式野球部は、鳥取県米子市を活動の本拠地としていた社会人野球の企業チームです。製紙業界の大手企業である王子製紙の米子工場によって運営され、日本野球連盟に所属していました。限られた期間ではありましたが、この地域における社会人野球の振興に貢献しました。

沿革

チームは1983年、王子製紙米子工場内に硬式野球部として正式に発足しました。企業チームとして、従業員の福利厚生の一環であると同時に、社会人野球の全国大会を目指す強化チームとしての側面も持ち合わせていました。特に、社会人野球における最大の目標の一つである都市対抗野球大会への出場をチームの大きな目標に掲げ、日々練習に励んでいました。

活動の終焉

しかしながら、創部以来、チームが悲願としていた都市対抗野球大会の舞台に立つことは叶いませんでした。懸命な努力も実らず、チームは結成から約15年後の1998年9月をもって、その歴史に終止符を打つこととなりました。チームの廃止に伴い、所属していた選手の中には、社内の軟式野球部へと活躍の場を移し、引き続き野球を続ける者もいました。

主な出身プロ野球選手

短い活動期間ながらも、王子製紙米子硬式野球部からは数名のプロ野球選手が誕生しています。

嶋田 哲也（しまだ てつや）
チームのエースとして活躍した投手。その実力が評価され、1990年のプロ野球ドラフト会議において、阪神タイガースから5位指名を受けて入団しました。

玉峰 伸典（たまみね しんすけ）
同じく投手としてプレーしました。チームが廃部となった後、同じ王子製紙グループの硬式野球部である王子製紙春日井（現在の王子硬式野球部）に移籍し、活躍を続けました。その活躍が認められ、1998年のプロ野球ドラフト会議で読売ジャイアンツから6位指名を受け、プロ野球選手となりました。これは、チーム廃部と同年の出来事であり、チーム消滅後も野球を続けた選手の希望となりました。

参考文献・関連項目

チームの歴史や活動に関する詳細については、企業としての公式な記録である『王子製紙社史本編1873-2000』に記されています。

また、[社会人野球]]チームの歴史を辿る上では、[社会人野球チーム一覧に関連情報を見出すことができます。

チームの母体企業は、現在王子ホールディングスとして事業を展開しています。[王子製紙]]グループには、この米子チームの他にも社会人野球チームが存在しました。愛知県春日井市を拠点とする[王子硬式野球部（旧称：[王子製紙]]硬式野球部、王子製紙春日井硬式野球部）は現在も活動を続けている強豪です。また、北海道苫小牧市にも[王子製紙苫小牧硬式野球部がありましたが、こちらは2000年に廃部となっています。これらのチームは、王子製紙グループにおけるスポーツ活動の一環として、それぞれの地域で社会人野球に貢献しました。

王子製紙米子硬式野球部は、活動期間は短かったものの、地域における野球の振興に寄与し、プロ野球選手も輩出したチームとして、日本の社会人野球の歴史の一角を占めています。

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