王実甫

王 実甫について

王 実甫（おう じっぽ）は、元朝の時代に活躍した著名な劇作家であり、特に『西廂記』の作者として知られています。彼の作品は元曲（元朝の雑劇）において重要な位置を占めており、彼の名前が後の世代にまで語り継がれている理由でもあります。

略歴

やや不明な点が多い王実甫の生涯については、『録鬼簿』の巻上（天一閣本）によれば、彼は大都に生まれ、名を徳信と称したことが記されています。彼の業績や人となりに関する情報は非常に少なく、具体的な生涯の事跡はほとんどわからない状態です。しかし、彼は関漢卿や馬致遠、白仁甫と同時期の人物であり、元朝の初期においては名の知られた作家の一人だったことがうかがえます。王実甫は「元曲六大家」と称されることもあり、これは彼の劇作家としての影響力を示しています。

主な作品

王実甫の代表作として、最も知られているのが『西廂記』です。この作品は元曲の中でも特に優れたもので、後世に大きな影響を与えました。『西廂記』は、恋愛と対立を描いた物語であり、ドラマティックな展開と豊かなキャラクター描写が特徴です。この作品は、元朝の伝統的な文化や音楽、演技といった側面をうまく融合させており、当時の観客に強い印象を与えました。

『西廂記』以外にも、王実甫にはいくつかの雑劇が存在します。『録鬼簿』や『太和正音譜』には、彼による雑劇が十数種類収められています。また現存する作品の中では、『元曲選』において『麗春堂』の形で彼の作が収録されている他、同じく『孤本元明雑劇』の一部に『破窯記』も含まれています。さらに、『芙蓉亭』や『販茶船』という曲も部分的に残っており、これらも王実甫の創作として評価されています。

まとめ

王実甫の作品は彼の時代を超えて、今なお多くの人々に愛され、研究されています。その影響は、元曲というジャンルを確立する上で欠かせないものとなり、彼の作品を通じて元代の人々の思いや文化を感じることができます。情報は限られていますが、王実甫が残した創作物は、時代を超えて受け継がれ、今なお語り継がれているのです。

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