王志 (明)

王志（おう し、生年不詳 - 1386年9月9日）は、元末から明初にかけて活躍した軍人であり、その本貫は濠州鍾離県にあります。

生涯

王志は、故郷の兵を率いて濠州で朱元璋に帰順しました。滁州や和州の攻略に貢献し、朱元璋に従って長江を渡ってからも、常に軍の先頭に立って敵陣を攻略し、自ら矢面に立ちました。その功績により右副元帥に任命され、常州、寧国、江陰の奪取にも貢献しました。さらに、宜興の奪回、高郵の攻略、九江の戦いでも活躍し、黄梅を攻略し、鄱陽湖の戦いでは殲滅戦を遂行しました。武昌の平定にも参加し、南京に帰還後には廬州を攻め落とし、張士誠の軍を破って40里にわたり追撃しました。その後、親軍衛指揮使として六安の守備を担当しました。

1368年、朱元璋が洪武帝として即位すると、王志は汴梁へ赴き、黄河を渡って懐慶、沢州、潞州を攻略し、平陽に駐屯しました。大将軍徐達が西征を開始すると、王志は軍を率いて合流し、興元を攻略しました。1370年には、その功績が認められ、同知都督府事に昇進し、六安侯に封じられ、世襲の権利を与えられました。その後、漢中に移駐し、チャガン・ノール塞に進軍しましたが、帰還して平陽に駐屯しました。再び徐達に従い、ゴビ砂漠への北伐にも参加し、その後は西南地方での戦闘にも偏将軍として従軍しました。目立った功績は少なかったものの、慎重な軍行動で敗戦を避けたと言われています。合肥攻略戦では、楼児張を破り、呉副使を捕らえるなど、その戦功は第一と評価されました。山西都司衛所軍務を担当した際、その処置は時宜を得たものとして洪武帝に称賛されました。1383年、王志は雲南品甸に赴き、城池を修繕し、屯堡を建設し、駅伝を設置するなど、現地の安定化に尽力しました。

1386年9月9日に亡くなると、許国公の位を追贈され、諡は襄簡とされました。後に胡惟庸の党とされましたが、すでに亡くなっていたため罪には問われませんでした。

子女

王威: 1389年に六安侯の爵位を継承しましたが、翌年、事件に連座して安南衛指揮使に左遷され、亡くなりました。子はいませんでした。
王琙: 兄の後を継ぎました。その後、清平衛指揮使に転じ、その地位を世襲しました。

脚注

* 参考文献：『明史』巻131 列伝第19

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