王思礼

王思礼（おう しれい）

王思礼は、唐代に活躍した高句麗系の将軍です。生年は不明ですが、761年に没しました。彼の出自は、前漢の武帝が紀元前108年に朝鮮半島に設置した楽浪郡の豪族、楽浪王氏の末裔であると考えられています。

生い立ちと出自

王思礼の一族は、高句麗が滅亡した後、唐の支配下にあった営州に移住しました。彼の父である王虔威は、唐の朔方軍に所属する将軍でした。王思礼自身も、幼い頃から武芸や知略に秀でていたと伝えられています。

楽浪王氏は、南北朝時代から隋唐時代にかけて多くの人物を輩出しており、王波、王班、王定国、王唐成、王光祖、王禎、王基、明徳皇后、王盟などが知られています。しかし、これらの人物は楽浪郡の出身ではなく、中国本土の出身であると考えられています。楽浪王氏の多くが、朝鮮半島から中国に移住したと考えられています。

王思礼の場合、『旧唐書』には「営州城傍高麗人也」と記されており、楽浪郡の設置からかなりの時間が経過しているため、高句麗に同化している様子がうかがえます。これは、彼の先祖が楽浪郡から移住し、その後の世代で高句麗文化に強く影響されたことを示唆しています。

安史の乱での活躍

王思礼は、唐代に勃発した安史の乱において、その卓越した軍事力を発揮し、反乱鎮圧に大きく貢献しました。彼の武勇と知略は、唐朝に多大な貢献をもたらし、その功績が認められて、官職は最終的に司空にまで昇りました。

王思礼の活躍は、唐の歴史において重要な出来事であり、高句麗系の人々が唐の社会で果たした役割を象徴しています。彼の生涯は、古代東アジアにおける民族移動と文化交流を考える上で、貴重な事例と言えるでしょう。

まとめ

王思礼は、楽浪郡をルーツとする高句麗系の将軍であり、唐代の動乱期において、その能力を発揮した人物でした。彼の出自と活躍は、当時の国際関係や文化交流を考察する上で重要な手がかりとなります。

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