王栄祖

王栄祖の生涯と功績

王栄祖（おう えいそ、生没年不詳）は、モンゴル帝国に仕えた契丹人の一人であり、東北アジアにおける数々の戦果で知られています。彼は遼東地方や高麗国、大真国の平定に力を尽くしました。

生い立ち

王栄祖は、チンギス・カンによる金朝遠征の際にモンゴル帝国に仕官した王珣の長男でした。父王珣同様に武に秀でており、その才覚を認められました。はじめは質子（トルカク）としてムカリ軍に参加しましたが、次第に信任を得て軍を指揮するようになっていきます。父が亡くなった後は、栄禄大夫や崇義軍節度使としての地位を引き継ぎ、ムカリの子、ボオルの配下での活動が始まります。

モンゴル帝国での武功

新帝オゴデイが即位した時、王栄祖はボオルとともに宮中へ入ります。オゴデイは彼の武勇に興味を持ち、3人の力士と戦わせましたが、王栄祖は全員を倒すという偉業を成し遂げました。このため、オゴデイは彼を自らのケシクに置きたがったものの、他の国の動向も考慮し、王栄祖はサリクタイの指揮下で金の平章ジェブゲを討伐する任務に就きました。

王栄祖はサリクタイ軍と共に、蓋州や宣城などで10城以上を攻略し、遂にはジェブゲを討ち取りました。ジェブゲの死後も抵抗を続ける敵に対して強力な攻撃を仕掛け、完顔曳魯馬を戦死させました。また、敵の兵士たちは投降し、王栄祖はこの兵を全員解放するよう努力しました。

高麗国への侵攻

1229年、王栄祖は北京等路征行万戸に昇進し、高麗に侵攻しました。彼の王京包囲に対し高麗王は貢納の使者を派遣してきましたが、後に高麗は再びモンゴルに対抗する姿勢を見せます。王栄祖は高麗に数回の侵攻を行い、最終的には高麗王子を捕らえることになります。王栄祖はこの時、民を守るために掠奪を禁じ、多くの民から感謝されました。

晩年と死

その後も王栄祖は高麗との戦いを続け、遂に高麗が屈服すると高麗王子を連れてモンケ・カアンのもとへ向かいました。残念ながら、モンケ・カアンは遠征先で急死し、王栄祖はその弟クビライに謁見しました。彼もまた沿辺招討使や北京等路征行万戸に任命されるが、晩年に病にかかり、65歳で亡くなってしまいます。

王栄祖には13人の子供がいましたが、王通や王泰、王興などが特に知られています。彼の生涯と業績は、モンゴル帝国の歴史において重要な位置を占めることとなりました。

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