大真国

大真国（だいしんこく）

大真国は、13世紀に蒲鮮万奴（ほせん ばんぬ）が中国東北地方に建国した女真（じょしん）系の国家です。東真国、または東夏国とも呼ばれていました。

建国と変遷

蒲鮮万奴は、元々金朝（きんちょう）の将軍でした。遼東宣撫使（りょうとうせんぶし）に任じられ、契丹（きったん）の首長である耶律留哥（やりつ りゅうか）の反乱鎮圧にあたります。しかし、1215年に金朝から自立し、天王（てんのう）を称して国号を大真と定めました。年号は天泰（てんたい）とします。

この動きに呼応し、当時の中国東北部にいた金朝の猛安（もうあん）・謀克（ぼうこく）といった軍事組織が、大真国に合流しました。1216年にはモンゴル帝国に一時的に降伏しますが、翌1217年には再び自立を果たします。

領域と政治

最盛期の大真国は、北西は上京城（じょうけいじょう、現在の黒竜江省ハルビン市阿城区の白城子）、南西は婆速路（ばそくろ、現在の遼寧省丹東市振安区の九連城）と遼東半島の一部、東南は曷懶路（かつらんろ、現在の北朝鮮咸鏡北道吉州郡）と恤品路（じゅっぴんろ、現在の外満洲ウスリースク）にまで及ぶ広大な領域を支配しました。

初期の政治的中心は咸平（かんぺい、現在の遼寧省鉄嶺市開原市の北）に置かれ、モンゴルから再度自立した後は、南京（なんきん、現在の吉林省延辺朝鮮族自治州図們市の磨磐山山城）に遷都されました。蒲鮮万奴は、金朝の官制に倣って国内に様々な官職を設置し、軍事機構には猛安・謀克制度を採用しました。

滅亡とその後

1233年、モンゴルのオゴデイは、皇子のグユクを派遣して蒲鮮万奴を攻撃しました。激戦の末、蒲鮮万奴は恤品路で捕らえられ、ここに大真国は滅亡しました。しかし、モンゴルはその後も万奴およびその子孫に旧領の管理を委ね、モンゴルの藩属として扱いました。

クビライが元朝（げんちょう）を建国すると、大真国の地には遼陽等処行中書省（りょうようとうしょこうちゅうしょしょう）が設置され、大真国という名称は歴史の表舞台から姿を消しました。

関連項目

満州
天泰 - 大真国の年号
* 大同 (蒲鮮万奴) - 大真国の年号

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