サリクタイ

サリクタイの概要

サリクタイ（モンゴル語: Saliγtai、? - 1233年1月27日）は、モンゴル帝国で活躍した将軍の一人です。彼は高麗に対する軍事行動を指揮したことで歴史に名を刻んでいます。中国の歴史書『元史』には、彼の名前は撒礼塔、撒里台などの様々な表記で登場します。

出自と初期の活動

サリクタイの出自には不明な点が残されていますが、「コルチ」という称号を持っていたことから、元々はモンゴル帝国の親衛隊であるケシクの一員であったと考えられています。1228年、オゴデイの命で遼東方面に派遣され、その後は延べ数回の軍事行動を展開しました。この時、彼は恐らくタンマチ（辺境鎮戍軍）を指揮していたとされています。

彼は1229年の段階で既にチンギス・カンのもとで戦い、戦経験を積んだ将軍たちと共に遼東の城を攻略しました。特に、サルジウト部のウヤルが彼の指揮下に加わることで、サリクタイの軍隊はより強力なものとなりました。

高麗への侵攻

1231年秋、高麗はかつてモンゴルの使者を殺害したことから、サリクタイに高麗への侵攻が命じられました。彼は地元の有力者洪福源と連携し、まずは咸新鎮や鉄州を攻略。さらには安北府での戦闘で勝利し、高麗の首都である開京を包囲し、降伏を勧告しました。

この時、サリクタイの軍勢は順調に進撃を続け、1232年初めには高麗側が降伏を決意したとされています。しかし、同年秋には高麗が反乱を起こし再び戦闘が勃発しました。

最期とその後

サリクタイは水州の処仁城を攻撃していた際に、流れ矢に当たり戦死しました（処仁城の戦い）。彼の死後、モンゴル軍は副将のテゲの指揮下に撤退し、その後も高麗への攻撃は続きました。

サリクタイが率いたタンマチ（タマ軍）は、高麗への遠征において数多くの将軍と共に構成されており、特に契丹人の将校が多くを占めていました。サリクタイは「権皇帝」という称号を持ち、歴史的には過去のムカリの地位の一部を受け継いでいたと考えられています。

サリクタイの軍事的影響

彼の指導のもと、サリクタイ率いる軍勢は高麗進攻において重要な役割を果たし、モンゴル帝国の力を示しました。彼の軍事戦略や行動は、その後のモンゴルの高麗における戦局に大きな影響を与えました。

サリクタイの歴史は、モンゴル帝国の東方への拡張と、その戦略的動きにおける重要性を象徴するものであり、彼の遺産は今日でも研究の対象となっています。

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