王瑜 (明)

王瑜（おう ゆ）

王瑜（1382年 - 1439年）は、明代に活躍した官僚であり、軍人です。字は廷器といい、淮安州山陽県を本貫とします。彼は、永楽帝暗殺計画を密告したことでその名を歴史に刻みました。

生い立ちと初期のキャリア

王瑜は、王銘の三男として生まれました。当初は総旗として趙王府に所属していましたが、その後の人生を大きく変える事件に巻き込まれることになります。

永楽帝暗殺計画の密告

1423年、王瑜は常山護衛指揮の孟賢や宦官の黄儼らが、永楽帝を暗殺し、皇太子朱高熾を廃位して趙王朱高燧を擁立しようという陰謀を企てていることを知ります。この計画は、王瑜の舅である高正から密かに伝えられたものでした。王瑜は、一族を滅ぼしかねないこの陰謀に加担することを激しく拒否し、涙ながらに高正を諫めますが、高正は聞き入れません。

計画の漏洩を恐れた高正は、王瑜を殺害しようとします。しかし、王瑜は危険を察知し、宮殿に駆け込んでこの廃立計画を告発しました。その結果、関係者の調査審問が行われ、孟賢らは全員処刑されました。この功績により、王瑜は遼海衛千戸に任じられました。

官僚としての活躍

1424年、洪熙帝が即位すると、王瑜は錦衣衛指揮同知に抜擢されます。さらに、1433年には左軍都督僉事指揮同知となり、11月には都指揮僉事、副総兵へと昇進しました。陳瑄の後任として淮安に駐屯し、運河の水運を監督する重要な役割を担いました。

1437年には、左副総兵となり、最終的に左軍都督僉事へと累進しました。彼は、軍事面だけでなく、水運管理においてもその手腕を発揮し、明朝の発展に貢献しました。

死去

1439年、王瑜は通州の駅館で58歳でこの世を去りました。彼は、その勇気と忠誠心により、明代史にその名を残しました。

参考文献

『明史』巻153 列伝第41
故驃騎将軍左軍都督府都督僉事王公神道碑銘（楊士奇『東里文集』巻13所収）

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